「ひろし! いつまで寝てんだ!」。このダミ声の主は──放送中のドラマ「ど根性ガエル」(日本テレビ系)でピョン吉を演じる満島ひかり(29)。「声だけ出演」でも存在感を放ち、大反響となっている。その“女優力”の源泉には知られざる「ど根性人生」があった。
まずは「ど根性──」の一場面を紹介したい。7月18日放送の第2話で、ヒロイン役の前田敦子に“着られる”満島。Tシャツの中からこう切り出したのだ。
「あんまり大きくならなかったね‥‥オッパイ!」
前田の貧乳を茶化しても嫌味に聞こえないのは、平面ガエルになりきった、満島の力量だろう。
「ドラマとはいえ、ファンでも口にできないセリフをよくぞ言ってくれた。よっ! ど根性! と声援を送りたくなりました」
とは芸能評論家の織田祐二氏。続けて満島の好演に、こう賛辞を贈る。
「アニメ版の千々松幸子さんの声に親しんだ世代としては、実写版に不安を感じていましたが、いざ観てみると、まったく違和感がない。そればかりか『はぁ~』や『あぁ』とか何気ない息遣いに、キュートな雰囲気がにじみ出ています」
ドラマで前田のオッパイにツッコミを入れた満島だが、そんな彼女にも泣きどころはある。映画関係者が明かす。
「満島の前で『アイドル』はNGワード。決して口にしてはいけません」
ある映画関連のパーティでの出来事。同じテーブルに着いたスポンサー関係者が満島に「10代からファンです」と告げたところ、不機嫌そうな顔つきで、
「あの時代はもう思い出したくないから‥‥」
こうつぶやいたきり、押し黙ってしまったという。はたして、アイドル時代に何があったのか。
満島がユニット「Folder」のメンバーとしてデビューしたのは97年。当時まだ11歳だった。芸能記者があとを引き取る。
「00年に5人組のユニットに改組。3枚目のシングルが劇場版アニメの主題歌に起用されてヒットしましたが、以降は鳴かず飛ばずで、わずか3年で活動を休止しました」
当然、売れなければ冷や飯を食わされる。
「1グループ当たりの最低のギャラが15万円と言われていました。仮に15万円の給与をメンバー5人で割ると、取り分はわずか3万円。これではトラウマになりますよ。やがて、そんな薄給アイドルを脱出し、女優に転向した満島は、自腹でオーディションを受けに行くなど、地道に下積みを続けたのです」(前出・芸能記者)
飛躍のきっかけは園子温監督との出会いだった。園監督といえば、満島の出世作となった主演映画「愛のむきだし」(09年)のメガホンを取った鬼才。前出・映画関係者が言う。
「満島の前では、園監督の名前も禁句なんです」
映画界では恩人のはずだが‥‥。
「園監督は満島にゾッコンでした。クランクアップ後も演技指導と称して自宅に何度も招いたようです。満島も恩義があるため断れず、一時は周囲から通い妻のように見られたことも。最終的には満島から関係の解消を迫ったのですが、そのあまりに熱心なアプローチが頭から離れず、今でも距離を置いているのでしょう」(前出・映画関係者)
人気監督をフッても、どっこい売れてる満島サン。にくいよ、この~! ど根性女優!