7月25、26日に、視聴率低迷が叫ばれるフジテレビが満を持して放送した「27時間テレビ」。番組内容はといえば、いつものようにジャニーズが出て、毎度のように芸人同士がつまらない内輪話で盛り上がるだけというもの。しかし、26日の日曜午後には放送事故かと思わんばかりのビッグプレーがさく裂した。“事件”を語るのは芸能記者である。
「毎年の恒例行事でノリもいつものフジ。あーさんまね、あーキムタクね、中居君ねハイハイ、とダラケモードの連続でした。ところが日曜の15時半から開始した『本気カバーFNS歌謡祭』で芸人を超える神、いや女神が登場したのです」
この記者が言う「女神」とは本名「橋本芽生」こと「May J.」。なんでアルファベットの名前? という突っ込みはさておき、カバーばかりを歌うことで知られる彼女は「本気カバー」の1番手で登場。まさに、番組の流れを作る重要な役どころである。
「彼女が選曲したのはなんと1969年に落語家で漫談家の月亭可朝師匠作詞・作曲の『嘆きのボイン』でした。リアルタイムで聞いていた世代はこの選曲にひっくり返りました」(前出・芸能記者)
何よりすごいのはこの歌詞にある。歌の間「バスト」を意味する言葉が7回も登場するのだ。
「本来コミックソングなんですけど、それをやたらうまいバラードで歌い上げちゃったんです。笑っていたのは和田アキ子だけ。おかげで会場はシュールな雰囲気に包まれました」(芸能記者)
1人満足げに歌い上げたMay.Jだが、続いて登場した槇原敬之はなんと「ドンキホーテのテーマ」を歌う始末。音楽が売れない時代に歌番組で「カバー」をやることは多いのだが、あるレコード会社幹部はこう嘆く。
「落ち着いて考えるとただの有名人のカラオケ大会です。FNSが満を持した歌謡番組で『嘆きの──』に続いて『ドンキホーテのテーマ』ですからねぇ。情けなくてテレビのスイッチ切りましたよ」
とはいえ、ネットではこの事件で炎上。May.Jの「本気」はフジにとっては大誤算だったようだ。