貧打戦の元凶を阿部だとする指摘に加え、OBからは、
「問題は軽すぎる4番。だから軸を固定できない」
との苦言も飛び出している。今季の4番は阿部⇒坂本勇人(29)⇒中井大介(25)、大田泰示(25)⇒亀井善行(33)⇒長野久義(30)⇒村田修一(34)⇒阿部‥‥というふうに、次々と代わっている。中井にいたっては、たった1試合で交代。かつて第48代4番だった原監督が現役引退セレモニーで「何人も侵すことのできない聖域」とスピーチしたはずなのに、4番軽視もはなはだしい「聖域侵し」の采配を振るっているのだ。
巨人OBで野球評論家の角盈男氏が、この4番問題にズバッと斬り込む。
「チーム構成をする際には投打の軸をしっかり据えないといけない。特に核になる4番打者には代わりがそういない。かつてのONのように3番、4番を時折入れ替えるくらいはありでも、チームの4番はどっしり据え置かなければいけません。対戦相手からすれば、打線の核がないだけに怖くない。もちろん日替わりオーダーでたまにポコッと当たることはありますが、それでは連勝することはできない」
渡邉恒雄球団最高顧問(89)もこれにはご立腹で、
「昨年も4番が目まぐるしく代わった。そこで『コロコロ打線を変えすぎだ。原はいい監督だけど、来年は固定打線でやってくれ』と注文をつけたのです。なのにまるで約束を守っていない、と不満を漏らしている」(球団関係者)
では、どうするべきか。V9時代を支えた野球評論家の関本四十四氏は、
「行く先々で野球ファンから『今年の巨人はどうなっているんだ』と聞かれて弱ってるよ。7月後半からはサヨナラ打など好調機運があったものの、もはやお盆を過ぎて残り40試合を切って3位。今こそ悪い部分にメスを入れなければならない」
と、原監督に最終局面を迎えての決断を迫るのだ。
手っとり早いのは新助っ人の活躍だが、7月下旬に加入したカステヤーノス(29)は、打率1割でわずか6試合、22打席で二軍落ち。5月にわずか5試合の出場ではやばやと降格になったフランシスコ(28)と同じく、ポンコツぶりを露呈した。関本氏が言う。
「もちろん、今からまた外国人の助っ人大砲を持ってくるわけにはいかない。V9時代は今とは反対の『打高投低』だったが、チームが不振に陥ると一軍と二軍の投手コーチの入れ替えがよく行われた。これは担当コーチを代えることで、選手に『お前たちがダメだからだ』と自覚させるカンフル剤の効果があった。今ならファンだってしょうがないと納得するでしょう」