デザイナー佐野研二郎氏のデザインした五輪エンブレムやロゴに注目が集まるなか、佐野氏が手掛けたバッグが現時点で堂々と売られていることがわかった。子育て中の女性編集者がその驚きを語る。
「毎月送られてくるベネッセの子供向け教材に通販カタログが同封されていて、何気なくページをめくっていたら、にっこり笑う佐野さんの写真が載っていたんです! まさかこのタイミングでいま話題の佐野さんがデザインした製品を売っているとは驚きましたね」
その佐野氏がデザインしたのは、ベネッセライフスマイル ショップが推進する“スマイルバスケット”というプロジェクトのロゴとバッグだ。3周年を迎える同プロジェクトは、途上国や東北の子どもたちと母親を応援するもの。佐野氏が手掛ける帆布製トートバッグは気仙沼の業者が製造しており、4094円のお手頃価格である。
同ショップで佐野氏は、「商品を購入した人が楽しい気分になり、それが結果として東北や途上国の方のスマイルにもつながる……。そんなワクワクするようなデザインを心がけました」とコメント。その言葉の通り、トートバッグには気仙沼を象徴するウミネコやカツオ、錨のモチーフが散りばめられ、可愛らしいデザインに仕上がっている。
五輪エンブレムや美術館のロゴなど佐野氏のデザイン盗用が話題になるものは、一般消費者とは関係のないものばかり。その意味では、話題の佐野氏が手掛けた商品を入手できるのは貴重な機会かもしれない。前出の女性編集者が笑いながら話す。
「このトートバッグはサイズや素材が実用的ですし、値段も手ごろなので、話のタネに買っても面白そうですよね(笑)。プロジェクトの趣旨にも賛同できるので、一石二鳥だと思います」
佐野氏の活躍(?)で東北を応援するプロジェクトに注目が集まるなら、それも悪くなさそうだ。
(白根麻子)