テリー この9年間、ずっと外側からテレビを観ていたと思うんですけど、特にバラエティ番組に関して何か思うことはありますか?
山本 僕がいた頃にはまだなかった「コンプライアンス」を気にしすぎる番組が多い気がしますね。あとは雑学・医学系の番組も多い。司会者は違っても、出てる人は同じような感じで、観てると「俺、この中に入るの無理だな」って思うことは正直あります。
テリー 確かに医学系の番組は増えたね。
山本 10年くらい前に僕も医学系の番組で検査してもらったことがあるんですが、たぶん僕が「メタボリックシンドローム」と診断された初めての芸能人なんですよ。
テリー おいおい、それはあまりうらやましくない「初めて」だよ(笑)。
山本 その頃はまだメタボって言葉も一般的じゃなくて、何かメルヘンチックだなと思って「やった!」ってガッツポーズしたら「山本さん、違うんです。あなたは余命3年です」って言われて(笑)。
テリー そりゃきついね。
山本 その時、同じ番組に出てた野球解説者の金村(義明)さんは「余命5年です」って言われて、そのまま2人でお寿司屋さんに行った思い出があるんです。「お互いもう先がないから、うまいもの食べに行きましょう」って。
テリー ハハハ、行くところが違うよ。しかし医者っていいかげんなこと言うよな。もし、それがホントなら2人とも今、死んでなきゃいけない(笑)。
山本 でも、雑学・医学系をはじめ、ほんとトーク番組は増えたと思いますね。
テリー それはそうだね。俺もディレクターに、「編集なんて言ったってお前がやってるのは、ただ言葉と言葉をつないでいるだけだ。そんなの、つまんねえだろ?」ってよく言うんだけどさ。だからこそ、山本さんみたいな人にぶっ壊してほしいって期待があるんだけどね。山本さんには加藤さんとはまた違った狂気があるじゃない。
山本 いやいや、そんなことないですけど。ただ、番組に出させてもらう時はいつも「狂ったように牙を剥け」って言葉を頭の中にイメージしていました。一石を投じるじゃないですけど、せっかく出させてもらうんだから自分なりに風穴を開けたい、何か一つでも爪痕を残したいってイメージはいつも持っていました。
テリー だから、そういう山本さんの復帰への期待は大きいと思うんだけどね。だって、山本さんの動向はいちいちニュースになるし、今年の1月にやった単独ライブもかなりの人が集まったんでしょ?
山本 そうですね。最初はどういう感じになるのかわからなくて不安だったんです。ブーイングが出るんじゃないか、とか「こいつ何をやるんだ? 」って静かな空気の中でやらなきゃいけないのかなと思ったり。
テリー そりゃあ久々だし、怖いよね。
山本 でも、出て行った瞬間に客席がワーッと温かく迎えてくれて、前列のほうのお客さんでちょっと泣いてる方もいたんですよね。
テリー それはうれしかったでしょう。
山本 そうなんです。それを見たら僕も泣きそうになって、どうにか「山本圭壱お笑いライブ、スタートです!」だけ言って、一度舞台袖に戻ったんです。あの時はヤバかったですね。