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開幕直前ワイド!プロ野球「黒いスタートダッシュ」上原⇔岩隈「幻のトレード」、ラミレス「原嫌い」で遺恨移籍・・・

 巨人・清武元GM球界爆弾男が「暴露本」で機密情報をブチまけた!
 プロ野球開幕。目前に迫ったその盛り上がりを台なしにするスキャンダルが、次々と噴出している。朝日新聞による巨人裏契約金報道に続いて出たのは、その巨人を追われた元GM爆弾男の衝撃暴露本。自分をクビにした報復だと言わんばかりに球団、そして球界の機密事項をバラしまくっているのだ。

 「おう、五億円よこせ」と…

 巨人が6選手に「裏契約金」を渡していたとのスキャンダルを朝日新聞が報じた翌3月16日、騒動に合わせるかのように、1冊の本が出版された。渡辺恒雄球団会長(85)の独断コーチ人事を批判して、昨年11月に巨人球団代表兼GMを解任された清武英利氏(61)の著書「巨魁」(ワック)である。この中であらためて渡辺会長と巨人軍を断罪すると同時に、本来なら表に出るはずのない球団秘密事項が、これでもかとつづられているのだ。
 まずは、巨人が07年の開幕前に、その年でマリナーズとの契約が切れるイチロー(38)の獲得に動いた一件。清武氏が、イチロー獲得には単年で20億円が必要と説明すると、渡辺会長は応接机の電話を取って、日本テレビ・氏家斉一郎会長(当時)と話し始めたという。
〈「おう、あのな、イチローな、二十億かかるんだよ。でも(巨人戦の)視聴率は十五%はいくと思うよ。(中略)あの、なんだっけ、『演歌の女王』だっけ。昨日見たけど、あれは失敗だな。一桁だろ。あんなのやってるんだったら、五億円よこせ。残りはこちらが出す。どうだ」
「演歌の女王」とは二〇〇七年一月から、土曜午後九時に天海祐希主演で放送された日本テレビの一時間ドラマだ〉
 結局、イチローはマリナーズと契約を延長し、巨人入り計画は泡と消えたが、
「獲得に動いたのは事実です。イチローは当時、『巨人が俺を獲りに来るとはビックリした』と言っていましたが」(球団関係者)
 いわゆる「一場栄養費事件」の責任を取ってオーナーを辞任していた04年秋の堀内政権時、渡辺会長は清武氏らに、清原和博を「放出してしまえ」と命じたことも暴露されている。トレード相手にある投手をあげた渡辺会長は続けて、さらなる補強に言及。
「それと捕手。阿部(慎之助)は外野だっていい」
 と言い放ったという。巨人担当記者が語る。
「堀内監督は阿部の捕手としての能力にダメ出しをしていた。抜群の打力を生かすため、負担の多い捕手から一塁転向案が浮上。それに対して阿部が、『三塁がいい』と希望を出したんです。渡辺会長が、何を根拠に外野だと言ったのかはわかりませんが・・・・」
 著書には、同じ頃、巨人はオリックス・仰木彬監督(当時)から、「清原トレード」の打診を受けていたこと、ポスティング制度を使ってメジャー移籍を希望していた上原浩治についても、仰木監督が驚きの提案をしたことが書かれている。
〈「巨人はポスティングを容認していないんですよね。だったらまず、オリックスにトレードさせ、そこからメジャーに出してはどうですか」(中略)
「上原の交換要員には誰を出してくれるんですか」
 そう尋ねると仰木は、オリックスが当時、合併しようとしていた近鉄バファローズのエース、岩隈久志の名前をあっさり挙げた〉
 岩隈が新規参入した楽天に移ったことで「幻のトレード」となったが、
「上原をオリックスに1、2年在籍させてからメジャーに行かせる密約ですよ」(スポーツ紙デスク)
法外なインセンティブ契約

 昨オフ、横浜から巨人にFA移籍した村田修一を巡っても、ひと悶着。前出・球団関係者が説明する。
「原監督の『獲ってほしい』という要望を、清武氏は突っぱねました。補強の実権は清武氏が握っており、監督の要求は3割程度しか聞き入れられなかった」
 清武氏は著書にこう記している。
〈前年から資料や写真を使って説明を繰り返し、「獲得しない」という結論で巨人軍も渡邉もまとまっていた。特に、社長の桃井恒和が村田の得点圏打率の低さを指摘したことが印象的だった。村田の名前すら覚えないので、毎回、一から渡邉に話をして、「わかった」の言葉で終わっていたが、私が巨人を解任されたあと、巨人は一転して村田獲得に走っていた。あの「わかった」は何だったのだろうか〉
 清武氏は巨人のみならず、他球団の内部事情にも触れている。「極秘文書入手」のくだりがそれだ。
〈某球団の極秘文書が私の手元にある。ある年、この球団は大学の有名選手を自由獲得枠で獲得した。(中略)その文書には裏金を含んだ密約の一部が記されていた。
・契約金1億円
・インセンティブ2億~2億5千万円(本人と調整中)
・4~5年後メジャー挑戦の確約(本人と調整中)
・特別金300万円×6カ月(7月~12月)前払い契約金とする〉
 当時の12球団申し合わせでは、インセンティブは5000万円を上限と決めていた。さらに「特別金」は、入団する翌年1月までの半年間、選手に毎月300万円の小遣いをやるという約束らしい。明らかな違反行為を示す爆弾情報である。前出・デスクがささやく。
「今オフのメジャー挑戦が濃厚とされる阪神の鳥谷敬、またはソフトバンクからオリオールズに移籍した和田毅ではないか、などとさまざまな憶測が流れましたが、真実はわかりません」
 昨年11月4日、いわゆる「清武の乱」の少し前、原監督が読売新聞の主筆室に渡辺会長を訪ね、野手の補強を訴えた。清武氏はその様子をこうつづっている。
〈三連覇に貢献した小笠原道大、高橋由伸は力が衰え、亀井義行は戦力と計算できない、と彼は断言した。アレックス・ラミレスは放出してもらいたいという意見だった。選手はそれを敏感に感じている。(中略)ラミレスは終盤戦のさなかに東京ドームの一室に私を訪ねてきたことがある。
「(中略)私にはもうオファー自体をしないでほしい。(中略)原監督はもう自分をリスペクトしていない。以前は直接、監督と話ができたのに、最近は大事な話もコーチを通じてしかできなくなった。(中略)原監督はもう屋外の球場では先発で使わない、と私に通告した」〉
 ラミレスの横浜DeNA移籍は、監督との遺恨が原因だったのだ。確かにラミレスの守備のひどさには投手陣から苦情が続出していたこともあり、両者の利害が一致した結果の直訴だったとも言えるのだが・・・・。

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