さらに、新種牡馬を狙い撃ちといきたい。7勝を上げて新種牡馬ランキングの第1位にいるカジノドライヴだ。どの馬も馬体がたくましいうえに、スピードとパワーを兼ね備えているところが魅力。父マインシャフトが数多くのGI勝利馬を送り出しているように、血統面でも信頼度は高い。
「ダート戦に出てくるとそこそこ人気にはなりますが、狙わない手はないでしょう」(スポーツ紙レース部デスク)
さて、今の競馬は社台グループが席捲していると言っていい状況だが、その中でも断トツの存在なのがノーザンファームである。現在、昨年の104億円を上回るペースで賞金獲得額を積み上げており、ノーザン王国はさらに強固になってきた印象だ。これは裏を返せば、ノーザンの馬を買っていれば的中率が上がるということ。ノーザン系のクラブ会員の一人はこんなことを言う。
「競馬評論家があれこれデータを持ち出して予想しているのを聞いていると、ひと言言いたくもなってくる。黙ってノーザンの馬を推していたら、もっと予想が当たるのに。そうしている僕らのほうが、絶対に的中率が高いと思っていますから」
ノーザンのすごいところは、牧場(馬)のためにいいと思ったことはすぐに着手し、実行に移すこと。それはとりもなおさず、日本の競馬を衰退させないことに対する意欲でもある。厩舎関係者が言う。
「最近では、名門トウショウ牧場の廃業に伴い、そこから当歳馬21頭とスイープトウショウ、シーイズトウショウなどの繁殖牝馬を買い入れています」
解散したメジロ牧場の元専務・岩崎伸道氏が立ち上げたレイクヴィラファームに援助の手(技術面から販売に至るまで)を差し伸べ、メジロ牧場の貴重な遺産を消滅させなかったことも知られた話だ。
「レイクヴィラファームがすぐに軌道に乗ることができたのは、ノーザンファームの吉田勝己代表が、レイクヴィラの生産馬をノーザン系のクラブに出してやったことが大きい。メジロにいた繁殖牝馬は優秀だから、会員さんにも喜ばれましたよ。それに応えてレイクヴィラ出身馬の多くは好成績を上げています。恐らくトウショウ牧場から来た馬もいい値段で売れて、走ることでしょう。育成のしっかりしているノーザンファームなら、それが可能です。馬が売れていくかぎり、ノーザンの天下が続いていくことは間違いないでしょう」(競馬ライター・兜志郎氏)
競馬ファンの健闘を祈る。