今週は2歳王者決定戦「朝日杯フューチュリティS」が行われる。人気の中心はデビュー戦、デイリー杯2歳Sと2連勝中のエアスピネル。はたして、同馬とコンビを組む武豊騎手の「JRA平地GI完全制覇」なるか!?
2歳馬の総決算、朝日杯FSが今週のメイン。舞台が阪神に移った最初の昨年、14番人気馬が2着に飛び込んでいきなり波乱。ここ2年、馬単で万馬券となっているが、それでも過去を振り返ると比較的堅く収まっている(馬単導入後、これまでの13年間で馬単万馬券は5回)。
阪神のマイル戦は、中山と違って内、外の枠順による有利、不利はないが、今年の顔ぶれを見渡してみると、人気どおり順当には収まりにくいのではないだろうか。
500万条件(1勝)馬が8頭も出走してくるうえに、エアスピネル、ボールライトニングを筆頭とした有力どころは、いずれものけぞるほど強いという印象はない。ならば、これら人気勢の足をすくって割って入る伏兵が現れて何の不思議もない。
ところで今の2歳馬は、その父が種付けの段階で、意識的にいい繁殖牝馬と交配させて生まれた子供が少なくない。圧倒的なスピードを誇ったダイワメジャーがそうで、その2歳産駒の活躍は先週の阪神JFを見れば明らかだ。
この朝日杯FSもそうで、ダイワメジャー産駒が4頭出走、いずれも有力候補と見られ、注目されている。が、それでも前述したように有力候補で絶対視されるいい馬は見当たらず、いずれの馬が勝っても何ら不思議はない。
だからこそ穴党の出番である。1勝馬が複数出走できるのであれば、その中に期待できる馬がいる。そう判断している。
最も期待しているのは、ツーエムレジェンドだ。
実はこの馬、先週の中京の特別戦に出走する手はずになっていたが、このGI戦が除外にならないと知るや、あっさりと自己条件を自重、こちらにホコ先を向けてきた。陣営の期待度の大きさがうかがい知れるが、そうであれば、この馬を狙い撃ちしない手はない。
未勝利戦を勝ち上がったばかりだが、その前走の内容は強いの一語だった。
デビュー戦が余裕残しの状態で重め残りだったが、にもかかわらず勝ち馬とはコンマ1秒差。だから前走は当然、体重が減ると見られていたが、蓋を開ければ8キロ増。見た目、重そうに映ったが、それでいてあっさりと差し切って勝ってしまったのだ。
まだまだ一本立ちできていない段階での、このパフォーマンス。いかに高い素質の持ち主であるかがわかるだろう。
上がり目があるだけに、この中間の稽古の動きは抜群。1週前の追い切りは実にリズミカルで、まずは文句なしだった。
池添調教師をはじめ、厩舎スタッフは口をそろえ、「この2戦とは比べ物にならない。納得いく仕上がりに持ってこれた」と、状態のよさを強調する。
フレンチデピュティ×バブルガムフェロー。一見して地味な血統と思われそうだが、とんでもない。あの3冠馬ナリタブライアン、ビワハヤヒデ、そしてキズナが近親にいる良血。前走の鮮やかな勝ちっぷりはうなずけることで、この血統的背景を思えば、今後の活躍も大いに期待できるというものだ。
道悪も走りっぷりから不安なさそうで、晴雨にかかわらず頭から狙い撃ちといこう。
穴は、タイセイサミットだ。未勝利を勝ち上がったばかりの前走・東スポ杯は6着と敗れたが、見せ場たっぷり。距離が長かったとも見られており、マイル戦で見直すべき。しまいを生かす競馬ができればチャンスがあっていい。