放送後、ネット上ではこの行為について、石橋批判が展開された。さらに、局内でも異変が起きていた。
「番組内容について、苦情の電話やメールが殺到しました」(フジ局員)
こうした苦情は過去にも少なからずあったが、今回の騒ぎは「収束」するどころか、「打ち切り」に向かって舵を切ったという。
「今、局内では視聴者の声に敏感です。4年前に番組編成が韓流に偏っているとして、テレビ局前で偏向放送に対する抗議デモが繰り返されました。そのデモはフジのスポンサー企業にも飛び火して、大迷惑をかけてしまったのです」(前出・フジ局員)
この「韓流デモ」はフジにとってトラウマとなっている。以降、視聴率はズルズルと右肩下がり。ついには、11月23日から29日のゴールデンタイムの週間視聴率が7.6%を記録。テレビ東京に抜かれて民放5位に転落。「振り向けばテレ東」どころか、背中を追う立場になったのだ。
同局では視聴率の低迷から、来年春に小堺一機(59)が司会を務める「ごきげんよう」が25年の歴史に幕を下ろす。「みなさん──」も視聴率は1桁台が当たり前になり、これまでも打ち切りがささやかれていた。
しかし9月3日、都内のホテルで開かれたフジテレビの10月改編会見後、宮道治朗編成部長はスポーツ紙の取材に、
「(『みなさん──』は)これからもやっていきたいと思っています」
と明言している。前出・フジ局員はこう明かす。
「夏頃に『リストラ番組のリスト』が局内で作られました。12月の視聴率しだいで3月に打ち切られる番組が書かれ、『めちゃ×2イケてるッ!』などは入っていました。でも、同じく視聴率が低迷中の『みなさん──』は、なぜか入っていなかったんです」
理由はフジテレビトップと石橋貴明の“蜜月関係”にある。局の幹部がこう耳打ちしてくれた。
「日枝久代表取締役会長が編成局長の時から石橋さんと昵懇の仲。よく一緒にゴルフをしています。『みなさん──』は会長案件なので、メスを入れることができなかったのです」
それでも今回の「セクハラ事件」は日枝会長といえども抑え込むことができなかったようだ。芸能レポーターの石川敏男氏が話す。
「新しい芸人、新しいヒット番組が生まれる中、同じ芸風を続けて視聴者に飽きられてしまった。視聴率が取れないだけではなく、スポンサーの顔に泥を塗ってしまう番組をかばいきれなくなったのでしょう」
「みなさん──」を手がけた港浩一氏が、6月に子会社の共同テレビ社長に栄転してしまったのも、とんねるずには痛手だったようだ。