テキサス・レンジャーズで活躍するダルビッシュ有が、父の母国イランが原因で大リーグでのプレーに影響を受ける可能性が出てきた。これは1月21日からアメリカの入国規定が厳格化されることによるもの。イランなどへの渡航歴がある人、およびこれらの国々との二重国籍者はビザ免除制度が使えなくなるのだ。アメリカ事情に詳しいライターが説明する。
「日本国籍を持つ人は基本的に、観光などでのアメリカ入国では入国ビザが不要でした。その規定が今回、イランなどの中東諸国に関わりのある人に適用されなくなったのです。この変更に伴い、入国審査がさらに厳格化されることも予想されます」
とはいえ、ダルビッシュはプロスポーツ選手用の入国ビザを保有しており、ビザなし渡航の規定厳格化には関係ないはずだ。またイランとの二重国籍についても成人を迎えた時に日本国籍を選択しており、影響は受けないはず。これについて前出のライターが続ける。
「理屈ではその通りですが、アメリカの入国審査は一筋縄ではいきません。態度が不審だったとか、英語の質問に上手く答えられなかっただけで入国拒否に遭った実例はいくらでもあるのです。しかも、彼の本名は“ダルビッシュ・セファット=ファリード・有”で、日本人の名前には見えないのも事実。しかも大リーグには中東系の選手がほとんどいません。さすがに入国拒否は極端だとしても、別室で厳しい審査を受ける羽目になる可能性はありえますね」
ちなみにカナダでの試合に遠征するときはチーム専用機で移動するため、戻る時にアメリカの入国審査は不要だ。その意味でシーズン中に何らかの面倒に巻き込まれる可能性は低いはずだが、そんなダルビッシュは最近、アメリカ国籍の取得も視野に入れているとか。日本球界の至宝がこんなことで外国籍になるとしたら残念なことだろう。
(金田麻有)