日本ハムは今年、米アリゾナ州ピオリアで始動した。2月15日までの約2週間、アリゾナ春季キャンプを行い、17日からは例年どおり、沖縄・名護で二次キャンプに入る。
「2月前半に雨がよく降る沖縄ですが、名護球場は設備が古く、ちゃんとした室内練習場がない。球団は何年も前から名護市に設備改善をお願いしてきて、ようやく20年キャンプまでの新球場建設となりましたが、いずれにせよ現在は設備が不十分ということ。ただし、これは表向きの理由ですけどね」(スポーツ紙デスク)
では、球団が「アリゾナ逃亡」した真意は──。
「大谷翔平(21)のお披露目ですよ」
こう言って、二刀流スターの「売却計画」を明かすのは、球団関係者だ。
「米キャンプには必然的に米メディアやメジャーのスカウトらが多数集まってくる。アリゾナは沖縄よりも暖かく、キャンプ前半にスローペースで調整しても、仕上がりが早い。早いうちから体がキレてくるため、そうした状態の大谷を見せることで、メジャーの争奪戦に拍車をかけ、ポスティングの値段を吊り上げることができるのです。入団時、大谷と球団の間では『さきざきのメジャー挑戦を妨げない』という意思確認がなされていますからね」
順調にいっても5年後というFA権獲得を待たず、移籍金が発生するポスティング制度を使って商売をする。球団としてある意味、当然の考え方だが、ポスティング制度によるメジャー移籍は、球団に入る入札額の上限が2000万ドル(約24億円)に設定されている。
「値段を吊り上げる」とはどういうことか。スポーツライターが解説する。
「現行のポスティング制度は今オフでいったん終了し、毎年見直されることになっている。つまり上限を撤廃し、以前のような青天井に戻る可能性もあるということです。そうなれば当然、球団は『2000万ドルごときでは大谷を出せませんよ』となり、主導権を握ることができる。今、大谷の価値は、入札金が撤廃されれば、6年以上になるだろうと言われる契約の年俸を含め、総額200億円に迫ろうかという勢いになっています。アリゾナキャンプは、そのための“見本市”となるわけです」
さらに、先の球団関係者が付け足す。
「大谷の究極の目標は、メジャーでの二刀流。大谷は昨オフから『16年は打撃に力を入れる』と話し、栗山英樹監督(54)も『登板翌日でも打席に立たせる』と明言しているように、打席数は飛躍的に増えるでしょう。大谷はトリプルスリーならぬ『ダブル2』、すなわち前人未到の『20勝、20本塁打』を目指しています」
ますます「完成に向かう二刀流」の能力を早期にお披露目する意義は深まろうというもの。16年は「大谷バブル」が始まる予感がする。