修羅場のくぐり方がまるで違う具志堅が圧倒
最終ラウンドまでいっても5P差以上で勝つ!
亀田興毅が3階級制覇なら具志堅用高はタイトルを防衛すること13回。もし、2人がジュニアフライ級のリングに立ち、死闘を演じたら‥‥。最強のボクサーはどちらか、ノンフィクション作家・織田淳太郎氏の見解はこうだ。
具志堅が74年にライトフライ級のチャンピオンになった時、あまり期待もされなかった。ライトフライ級は当時、いちばん軽い階級でしたが、周囲は彼も作られたチャンピオンではないかとさえ思っていたんです。ところがどっこい、具志堅のボクシングはまさに格闘技と呼ぶにふさわしい、食うか、食われるかの丁々発止の戦いでした。
今、グローブはミニマム級からスーパーライト級まで8オンス(227グラム)を使っていますが、当時は6オンス(170グラム)。しかも、メキシコ製の薄いものを使っていた。しかし、具志堅は果敢に打ち合い、13回のタイトル防衛のうち9回がKOでした。亀田とはボクシングの質がまったく違うと思いますね。世界戦の対戦相手を見てもランキング10位以内の強豪ばかりでした。そんな世界で13回防衛は称賛に値します。
亀田は3階級制覇で知られるが、玄人筋にはあまり評価されていない。マッチメークから入り、「ランキング操作」して弱い相手と戦って勝っても、評価する人は少ない。
2人が戦ったら、あまりかみ合わないのではないか。具志堅は積極的に打って出るでしょうが、亀田は攻撃と防御がはっきり分かれ、相手が攻めてくると、しっかり防御の態勢を固めてダメージを受けないようにする。安全運転のおもしろくないボクシングだからです。
それに対して具志堅はハードパンチャー。相手に打たれると、ムキになって打っていく果敢なボクシングです。もし、亀田が具志堅のボクシングに合わせてしまったら、早いラウンドでKOされてしまうでしょう。具志堅は強豪選手と打ち合い、自分も相当なダメージを受けながら、勝ち抜いてきた。瞬発力もパワーもモノが違うからです。
だから亀田は、防御をしっかり固めて、両者は互いにかみ合うことなく、12Rまで行くのではないか。そして、具志堅が終始攻勢に出て、最終的には5ポイント以上の差をつけて、具志堅が判定勝ちする、というのが私のジャッジです。