斎藤工主演ドラマ「臨床犯罪学者 火村英生の推理」(日本テレビ系)の視聴率が、6話の7.5%から9.1%に跳ね上がった。これまでは一話完結スタイルの同ドラマだったが、6話と7話は前後編作品。それが功を奏しての視聴率アップだとしたらなんとも皮肉な話だが、実はこの好視聴率だった7話に、視聴者からクレームが続発しているというのだ。
問題となっているのはドラマのクライマックスで、事件の真犯人が殺人の動機を語るシーン。犯人は「好きな人がいるのに自分を誘惑してきた女に心動かされたことが耐えきれなくて‥‥」と話すのだが、これに視聴者が「くだらなすぎる動機」「そんな理由で殺すなよ」と、あまりの陳腐な設定に呆れた旨のコメントが殺到したのである。
だが、原作小説を知るテレビ誌記者は「脚本家に問題がある」とこう話す。
「実はこの犯行動機、有栖川有栖の原作ではもっと深い理由があっての結果だったんです。前後編に分けて放送したのであれば、もっと登場人物の描写も掘り下げることができ、このような誤解は起きなかったはず。脚本家が原作をしっかり読み込めていないのではないでしょうか」
さらに前出のテレビ誌記者は、後編7話の“ある不可解さ”についても指摘する。
「前後編のストーリーにも関わらず、脚本家が違うんですよ。しかも火村の謎解き場面を無駄に2度も“同じ尺”で挿入するなど、後編は明らかに“引き伸ばした”感がある。制作が間に合わないための苦肉の前後編だったのかと疑いたくなるくらいの雑な構成でした」
せっかく上がった視聴率が、もったいない結果になったようだ。