「『巨人で引退したいなら、頭下げて29%減にしてくれと言うべきですよ』と言うたんやけど、その意味もわかっとらんかった。せやから『巨人はいらん言うてるんですわ。頭を下げるか、別のところに行くか。自分で進退決めろっちゅうことですよ!』と言うたんですわ」
野村氏の指摘で、ようやく球団の方針に気づいた清原容疑者は球団事務所に「カチコミ」をかけることになった。球団代表だった清武英利氏に直談判を行い、「編成面についてフロントが主導なのか、現場主導なのか」問いただしている。当時、世間では一部で男気あふれる行動ともされていたが‥‥。
「ホンマ清原は腰抜けですわ。その前の年のオフも小久保やローズが入団することを知って心配しまくってた。見かねて『別に自分が打ったらええだけのことですやん』と言うたこともあった」
話同様、ビールの勢いも止まらない。冷蔵庫が故障しているため、クーラーボックスで冷やしているビールを幾度となく記者に取り出させる。
「結局、巨人に残ったのはええけど、すでに04年オフにはオリックスからオファーが来てたんや。せやけど、清原は『俺がオリックスのユニホーム着ても似合わへんやろ』と言うてた」
ところが、翌05年オフに仰木彬監督のラブコールを受け、清原容疑者はオリックスに移籍した。
「あれだけこだわっていた巨人で引退せず、オリックスに行くんなら悲願の監督契約を入れるのが筋やろ。仰木さんも『花道作ったる』と言うてくれたんやから。こん時も『絶対受けてくれますよ』と言うたのに、(オリックスの)後輩選手に確認してもらったところ言わへんかったみたいや。結局、清原は近鉄と合併したオリックスの客寄せパンダやったんや!」
誰よりも清原容疑者の素顔を知る、野村氏だからこそ憤りも強いのだろう。
「清原に周りがしっかり言うべきやったんや。甘やかしすぎや。西武時代の成績を見ても、ここまで毎年ポンポン上がってたのはおかしい。(在籍当時のオーナーの)堤(義明)さんにも責任はあるはずや」
そんな甘やかされてきた清原容疑者は、早ければ3月15日にも保釈される可能性がある。しかし、11日時点でいまだ身元引受人が現れていない。
「身元引受人なんて『ただちゃんとするように』って言うだけや。偉い人のメンツがとか言われとるけど、PLの先輩や後輩がたくさんおる。清原を教えとった中村監督がなったらええやないか。それ以外にでもいくらでもおる。俺なんてパチプロが身元引受人やったぞ。それも叩いたらホコリが出そうなヤツや」
そう笑いながら語る野村氏。自身は名乗りを上げないのかと問いかけると、
「俺になってほしいと清原本人が言うなら、なったるわ」
別に大したことじゃない。そんな表情を浮かべながら、ビール片手にメジャーリーグの動画を見続けるのだった。