メタボになると、正常な人と比べて心臓病や脳梗塞などの重篤な病気を招くリスクが30倍以上になると言われている。その原因はさまざま挙げられるが、実は脳の疲労によるものだったというのだ。
〈メタボの最大の原因である内臓脂肪型肥満は、エネルギーの摂取量と消費量のアンバランスによって起きるのではない〉
著書「メタボ体質は『脳疲労』が原因だった」(徳間書店)の中で、医学博士の横倉恒雄氏はこう論じている。横倉氏は、テレビやインターネットから発せられる過剰な情報が無意識のうちに脳を酷使して脳疲労を招いていると言い、さらに仕事や家族、職場での人間関係などによる心理的なストレスの積み重なりも脳を疲労させていると断じる。この脳疲労こそが、メタボ体質の原因なのだという。著書にはこうも書かれている。
〈健康な脳は、理性の脳と本能の脳がバランスよく間脳に働き、自律神経でホルモン、食欲中枢を適切にコントロールし、正常な五感・ホルモン・精神活動を行い、健康体を維持する。ところが、疲労脳は、理性の脳が肥大するため、間脳でコントロールされる、自律神経、ホルモン、食欲中枢の破綻したプログラム指令が出されるため、過食や肥満、生活習慣病、などを発症する〉
脳疲労を解消しない限り、どんなダイエットを行っても効果は少ないということである。
では、このやっかいな脳疲労を解消するにはどうすればいいのか。東洋医学を研究する整体院の三上藤雄院長は、簡単にできる脳疲労の解消法を伝授する。
「合谷(ごうこく)というツボを刺激するといいでしょう」
合谷とは、人差し指と親指の骨が合流するところからやや人差し指よりにあるツボ。このあたりに、触ってわかる「くぼみ」がある。親指で押した際、ジーンとくる箇所が合谷なのだ。
「ここに他の手の親指を当て、残りの4本は逆手の背側から小指を包み込むように置く。そして、親指で骨の真下にもぐりこませるつもりで指圧します」(前出・三上院長)
合谷は全身にある365のツボのうち、最も脳に刺激が伝わりやすいツボであるとともに、気が集まるため、「万能のツボ」と称される。
「驚くほど効果がある」(前出・三上院長)というから、騙されたと思って押してみるべし。
(谷川渓)