又吉直樹の芥川賞受賞作を映像化したドラマ「火花」の予告編が、公式サイトにて公開された。動画配信サイトの「Netflix」にて6月3日から世界190カ国で配信される同作品には吉本興業の総力が結集され、製作スタッフにも映画「ストロボ・エッジ」などを手掛けた廣木隆一らの大物を起用。しかも誰もが知るハリウッドの大物俳優まで関わっているというのである。映画ライターが教えてくれた。
「予告編のエンドクレジットを見て驚きました。ドラマ『HEROES』で知られる日系人俳優のマシ・オカが、スペシャルサンクスとして載っているのです。彼は2010年に吉本とアドバイザリー契約を結んでいましたが、ただの話題性だけかと思っていたら今でも吉本との関係が続いているようですね。日本のお笑いには相方を叩くツッコミなど、欧米では理解されない要素もあるので、海外向けにマシ・オカがコメントしてくれたら、この上もないバックアップになりそうです」
マシ・オカが実際にどれくらい「火花」に関わるのかは不明だが、吉本としては有力な海外向けコンテンツに大きな期待を掛けているのは間違いないところだ。そんな「火花」には、マシ・オカ以外にも力となる外国人が関わっているという。前出の映画ライターが続ける。
「お笑いと関西弁という独特な文化を海外に伝えるために、字幕翻訳に吉本芸人のチャド・マレーンと、J-waveでナビゲーターを務めるマッシューを起用しています。オーストラリア出身のチャドは“大阪ラリア人”とあだ名されるほどに関西弁がペラペラ。そしてマッシューは名門ジョージ・ワシントン大学出身で、アメリカのエンタメ事情を熟知しています。これなら『その英語じゃ通じないよ!』というイラ立ちもなくなりそうですね」
このように期待大の「火花」では、映像面でもドラマ風ではなく、海外ドラマと同じように映画に近い撮り方をしているようだ。果たして海外ドラマ同様のスケールを感じる作品に仕上がっているのか。全10話なのに、視聴者が第1話で飽きてしまわないことを祈りたい。
(白根麻子)