若手芸人の世界を描いた小説「火花」で、ピースの又吉直樹が芥川賞を受賞したニュースは、世間とマスコミを席巻。お笑い芸人初となる快挙に芸能界も騒然となった。受賞決定後、出版元の文藝春秋が数十万部の増刷を繰り返し発表するなど、又吉フィーバーといっていい盛り上がりぶりなのである。
一躍、人気作家となった又吉だが、快挙達成の裏で、本業のお笑いに関する心配事が関係者の間で囁かれているという。「これまで出ていた番組に出づらくなるのは間違いないと思います」と言って、ベテランの構成作家が続ける。
「今回の受賞で特に出演しにくくなったのは、大喜利の腕を競う『IPPONグランプリ』(フジテレビ系)。又吉は同番組の過去13大会中5回も出ている常連ですが、さすがに芥川賞作家を簡単には出せません」
その理由については、
「あの番組は、今のお笑い界で最高の権威である松本人志が『大会チェアマン』となり、参加者より一段上の立場という構成になっている。そこにお笑い界とは別の権威『芥川賞作家』となった又吉が参加者として出たら、松本の立場が揺らいでしまうんです。いわば又吉は『扱いにくい人』になった。当然、松本は『大丈夫』と言うでしょうが、果たして(2人が所属する)吉本興業がゴーサインを出すかどうか‥‥」
副業で芥川賞作家となったピース又吉。芸人としての今後にも注目したい。
(白川健一)