熊本地震の被災地で弁当を現地調達した毎日放送のアナウンサーが謝罪コメントを発表した件で、さらなる騒動が巻き起こっている。日刊スポーツの記事によると、毎日放送は「食料確保の経路については、きちんと並んで購入したもので、問題はないと認識している」と回答。たとえ被災地であっても、列に並びさえすれば食料の現地調達は問題ないという見解をテレビ局として公式に示した形だ。週刊誌記者が指摘する。
「この見解に対しては、さっそく『感覚がおかしい』などと当然の批判が噴出しています。これから現地入りするマスコミ陣は、食料や燃料を持参するのが最低限の義務。それを徹底するためにも、持ち込んだ自前の物資を積極的に公開すべきでしょう。そもそもマスコミ以前の問題として、人としての倫理があれば、被災地で食料を調達するなんて発想は生まれないはずです」
その一方で、現地で支援にあたる自衛隊の食料事情にも注目が集まり始めている。これは「隊員が食事をとっているところを見たことがない」という素朴な疑問から始まったもの。前出の週刊誌記者が説明する。
「自衛隊員は“レーション”と呼ばれる携帯型の糧食を食べています。災害支援のような忙しい状況では冷えたレトルトパックから直接食べるか、かつて主流だった缶詰タイプを食べているはず。東日本大震災の時には、隊員が温めた食事をとるようになったのは1カ月が経ってからでした」
いまだ多くの被災者に食料が十分に行き渡らない現状を現地調達した食料で腹を満たすマスコミが伝えるという構図は、明らかに異常だと言わざるを得ないだろう。
(金田麻有)