「東京喰種トーキョーグール」の実写映画化が先日発表されたが、原作ファンからは早くも批判が殺到している。
同作は人を喰らうことで生きる怪人・喰種(グール)が登場するダークファンタジーで、現在も「週刊ヤングジャンプ」で連載中の人気コミック。すでにアニメ、舞台化も実現していたが、来年夏の公開予定で実写化される運びとなった。
注目のキャストだが、主人公の半喰種となってしまった大学生・カネキに窪田正孝、ヒロイン役にはNHK朝ドラ『まれ』で注目を浴びた清水富美加が演じることが発表されている。
しかし、あまりに非現実的な世界が舞台とあってか、昨年酷評祭りとなった「進撃の巨人」や、今年のGWに大コケした「テラフォーマーズ」のことがファンの頭にはよぎっているようで、実写化には期待より不安の声をあげる人がほとんどだ。
原作の世界観が再現困難というのは、この手の実写化について回る意見ではあるが、今回はそれ以外にも原作ファンが口を揃えて批判するポイントがある。
「キャスティング云々よりも監督についての指摘が多いですね。メガホンをとる萩原健太郎監督はテレビCMやミュージックビデオ、ショートフィルムを監督し、海外で賞を獲得している新鋭ということですが、劇場長編作品を担当するのが初めて。そのため、ネット上では『これは(紀里谷和明監督の)キャシャーンの二の舞か』『映像美だけに凝って脚本二の次、中身スカスカのパターンかも』『カットが多くて役者の演技力が生かされない、本当にマンガのような実写化の意味のない作品になるはず』といった、それなりによく分析された意見が多いようです」(エンタメ誌記者)
原作者の石田スイは、主演の窪田について「自分の作品を踏み台にして、さらに『窪田正孝すごい』ということを知っていただけると、映画化はうまくいったと言ってもいいのではないかな」とコメントしているが、ネット上の指摘にもあったように、映像作家と演技派役者の組み合わせは必ずしも成功例が多いとはいえない。
進撃、テラフォに続くことで、「大爆死SF三部作のトリになるかも」とまで言われている今回の実写化。はたして、どちらに転ぶことになるのだろうか?
(権田力也)