関西メディア関係者が続けて、さらなる「リストラ候補者」を明かす。
「万能選手として使い勝手のいい坂克彦(30)や新井良太(32)も戦力外対象。フロント、金本監督、掛布雅之二軍監督(61)の三者で、このリストについての確認が進んでいます。ただ、球団サイドは福原、安藤の功労者2人は、その指導能力を高く評価しており、コーチやフロントとしてチームに残ってもらう道を用意する方向で検討しています」
大リストラの波はコーチ陣も飲み込む。経験不足を露呈した香田勲男投手コーチ(51)に代わって、現在、大物候補者を物色中。打撃部門の強化には、金本監督がわざわざ掛布二軍監督の下で修業させている今岡誠打撃兼野手総合コーチ(41)の昇格も検討されている。代わりに平田勝男チーフ兼守備走塁コーチ(56)が一軍から外される意向だという。
「ゴメスが年俸2億円、ヘイグが8000万円、福原1億5000万円、安藤8200万円、4人でざっと5億円ですからね。鶴岡や新井らも含めると、総額6億円以上の人件費削減となります。この金を新外国人の獲得に投入する計画ですね」(スポーツライター)
金本監督が描くチーム改革のモデルは、みずからが阪神にFA移籍した03年、当時の星野仙一監督が優勝を勝ち取った方式と、広島の三村敏之監督が生え抜きの若手を鍛え上げた方式のミックス。星野氏は20人以上の血の入れ替えを断行してぬるま湯体質を一掃したが、金本監督もまずは使えないベテランを一掃してチームをスリム化。中堅クラスの投手陣をトレード要員にして、積極的な入れ替えを仕掛けたいとも考えているという。ただ、FAやメジャー帰りの日本人選手を買いあさることには反対で、大型補強は新外国人が軸。6億円クラスの超大物助っ人と若手の成長が、2年目の超変革の命運を握ることになるのだ。
こうした「再変革」にはもう一つの理由がある、と球団関係者は説明する。
「報道では金本監督の契約は3年となっていますが、実は2年。当初、5年の長期契約だとか景気のいい話が飛び交っていましたが、阪神本社は基本的に2年契約しか結びません。その中で結果が出れば延長していくシステムなんです。もちろん掛布二軍監督も2年契約で、コーチの何人かは1年契約だと聞いています。今年は最下位でも問題はありませんが、来年はある程度、結果を出さないと、金本監督の契約延長は難しくなる。しかし金本監督自身、ああいう豪快な性格ですから、監督業にしがみつくことも保身の気持ちもまったくない。それでも負けず嫌いですから、来年こそが勝負だ、と反撃のシナリオを練っているのです」
「超変革」という名の恐怖政治が、はたして阪神を最強軍団に生まれ変わらせることができるか──。