地獄の猛練習でV10もある
落合氏の監督就任に向け信子夫人も後押しをする。前出・中日関係者が言う。
「一昨年ぐらい‥‥まだ中日監督の時から信子夫人は『最後は巨人のユニホームを着せたい』と周囲に語っています。現役時代の落合氏が巨人を退団する際には、渡辺会長は夫妻を読売新聞本社に呼んで花束を渡していた。条件さえ合えば、落合氏は監督就任要請を断る理由がない」
その「条件」については、もちろん会食の席で俎上に載っている。そのうちの一つが「森繁和ヘッドコーチ」の招聘だという。森氏は中日・落合政権の8年間を参謀として支えてきた右腕。落合氏の信頼はすこぶる厚く、「またユニホームを着る時には、必ず森繁和を連れて行く」と公言するほどだ。
「やるなら全権監督でしょう。巨人はそうしたコーチやスタッフの“身体検査”もすでに終えている、と聞きました」(前出・デスク)
だが、巨人サイドにも一つ、「プラン」があるという。江川卓氏(57)の助監督入閣である。前出・球団関係者が明かす。
「落合氏は、いちおう巨人OBですが、球団的にはやはり、外様扱い。外様2人が現場トップというのは巨人の歴史上、過去にないため、江川助監督を据えるのです。昨秋の『清武の乱』の際、渡辺会長が『江川助監督計画』を進めていたことが公になった結果、頓挫した。あそこまでバレた以上、一度はユニホームを着せないといけないでしょう。ただ、コーチ経験のない人間は監督にさせないという不文律が巨人にはある。そこで、名将の下で帝王学を学んでもらうのです」
まさに名監督と人気随一のOBの最強タッグ。前出・中日関係者によれば、
「落合氏は中日監督時代、立浪和義氏に『俺の下でコーチになって勉強しろ』と勧めましたが、立浪氏が断り、実現には至らなかった。生え抜きの後進を育てることについて、落合氏は積極的ですらある」
問題は江川氏が受けるかどうかだが、
「将来的な監督就任を約束すればOKでしょう」(前出・デスク)
こうした水面下の動きは巨人ナインにも伝わっており、「ホントに落合さん、監督になるんですね」と言い合っているのだとか。巨人担当記者は言う。
「中日時代の指導を見ればわかるように、落合監督なら、今までのようなぬるい練習は許されなくなる。それはもう、超ハードな練習が課せられます。が、間違いなく選手としてのプレーの質は上がる。10連覇も夢ではないでしょう」
災い転じて福と成す、か─。