増税法案賛成→残留
田中美絵子キス事件で怒られてついていくのをやめた
「小沢ガールズ」と呼ばれながら、増税法案に反対票も投じず離党もしなかった議員もいた。
田中美絵子(36)。石川県小選挙区で森喜朗元首相(74)に挑み、敗れたものの、比例北陸信越ブロックで復活した。
衆議院議員会館は各フロアが一つの村のようになっていて、例えば第一会館8階は、仙谷由人、前原誠司、枝野幸男といった反小沢系議員が集まっているし、6階には小沢一郎、樋高剛、小宮山泰子、川島智太郎の小沢系が集っている。田中美絵子は小沢の一つ隣の部屋だ。その彼女が増税法案には賛成票を投じた。
今回の採決で、150人と言われた小沢系議員のうちの90人ほどが、賛成に回った。新進党時代から小沢のそばで政策のある部分を受け持ってきたと自負し、自由党分裂時に逃げて行った小池百合子を激しく非難していた中塚一宏も、賛成に回った。なぜ、こんな変身が可能なのかを、ある政治家はこう説明した。
「自分を高く売ろうとする計算が働くんですよ。今、離党するよりも、次の内閣不信任案採決の時のほうが高く自分が売れる。まだここは売り時じゃない。そう読むんです。それは決して間違ってはいません。そうした時のほうが確かに高く売れます。
だけどそれは、1回こっきりのことで、本当は、政治家としての信用は採決の時点で全部失っているんです。もう政治家生命は終わっているんですけど、それが自分では気づかない」
では、田中もそんな思惑で賛成票を投じたのだろうか?
それに対しては、こんな答えが返ってきた。
「違いますよ。彼女はそんな計算はできない。彼女の場合は、例の事件が全てでしょう」
「例の事件」とは、この6月に「週刊新潮」に撮られた、高級官僚との密会キス写真のことだ。
「これはあくまでも噂ですけど、あの一件で彼女は小沢さんに叱られたらしい。
小沢さんは官僚主導を打破するために戦っているのに、その子分が官僚と不倫じゃ絵になりません。怒るのも無理はない。
彼女の政治家としての生命は、あの一件でもう終わっています。次の選挙に出ても勝てません。恐らく本人もそれはわかっていて、新党に行ってもしかたがないと諦めたんでしょう。それに、小沢さんも、彼女を新党に誘っていないんじゃないかなあ」
今後、彼女は小沢の部屋の前をどんな顔をして通り過ぎるのだろうか。