やらせなしのガチ勝負を証明するかのように、頂点に立ったのは意外すぎるメンバーだった。
10月10日、今年で7回目を数えるAKB48グループのじゃんけん大会が兵庫で行われ、AKB48加入10年目の苦労人・田名部生来が7代目のじゃんけん女王に輝いた。
これにより、優勝した田名部は今回のじゃんけん大会で上位7位までに入ったじゃんけん選抜ユニットのセンターを務め、CDデビューすることが決定。
しかし10年も在籍していたのに、田名部と聞いて顔と名前が一致する人は世間にはほとんどいない。
「それも無理はありません。田名部がこれまでAKBのシングル表題曲で選抜入りしたのは第1回じゃんけん大会で12位に入った時の1回こっきり。選抜総選挙にランクインしたのも14年の71位の1回きりですから、一般の人はほとんど見る機会もないメンバーだと思います。田名部と同じ3期生でAKBに加入した渡辺麻友や柏木由紀は、この10年間の裏での努力も知っているだけに田名部の優勝を涙ながらに祝福していました」(アイドル誌記者)
ようやく日の目を見ることができた田名部も化粧が落ちるほど号泣し、「本当に報われないことだらけで。ここまでちゃんとAKBやってきて良かった」と、喜びをかみしめた。
戦いの様子を現地で見守ったファンからも「完全にもらい泣きした」「推しメンは違うけど、これはこれでよかったと思う」「たなみん、報われてよかったな!」「じゃんけん大会で泣いたのは今回が初めて」など、田名部センターに感動したという声が飛び交った。
選抜総選挙でランクインした14年以降、15年、16年は選抜総選挙へは不参加だっただけに本人にも諦めムードが少なからずあったはずだが、競馬でいえば「単勝万馬券」の快挙。「今回のセンターを最後に卒業するのでは」という声も上がっているが、10年かかってつかみ取ったセンターポジションで輝けば、芸能界での新たな道がひらけるかもしれない。
(石田安竹)