初の海外馬券発売は、売り上げ41億円と大盛況。期待されたマカヒキは14着に終わり、日本馬初の凱旋門賞制覇はかなわなかったが、注目の第2弾のメルボルンCには春の天皇賞2着馬カレンミロティック、第3弾のBCフィリー&メアターフにはオークス馬ヌーヴォレコルトが登場する。
世界で最も荒れるレースと言われる「メルボルンカップ」。芝3200メートルのハンデ戦で、昨年は23番人気馬(単勝101倍)が優勝し、3連単は日本円にして約200万円。また、12年、13年も20番人気馬が馬券に絡むなど、大波乱決着が目立っている。
先日の凱旋門賞の3連単も約38万円と、あらためて海外競馬の難しさを痛感させられただけに、メルボルンCの傾向と対策をしっかりとチェックして、一発大儲けといきたいところだ。「海外競馬・勝つためのプレミアムデータ&テクニック」(ガイドワークス刊)の著者で、競馬ライターの秋山響氏が解説する。
「地元のオーストラリア勢が過去10年で6勝とリードしていますが、長距離馬のレベルはそれほど高くないので、地元以外の海外勢を積極的に狙いたいですね。3着以内に必ず1頭は来ているし、06年の日本馬デルタブルースとポップロックを含め、3度のワンツーフィニッシュがあります」
凱旋門賞では外枠のマカヒキが苦戦を強いられたが、メルボルンCも内枠が有利になりそうだ。
「洋梨形の広々としたコースでほぼ平坦。直線も長く、フェアなコースです。ただ、フルゲート24頭の多頭数競馬のため、外枠は不利になりがちです。昨年は散水やエアレーション作業により、極端な内枠有利の馬場でした」
ハンデ戦だけに、斤量も大きなポイントになる。
「ハンデの重い組は勝ち切れず、56キロを超す勝ち馬は83年以降、わずか3頭だけです。10月29日の出馬登録の段階で、最も重い斤量の馬が57キロ未満の場合、57キロで出走となるように、全馬一律で斤量が引き上げられるので注意してください」
さらに予想を難しくさせているのが、地元勢のローテーションだ。昨年の勝ち馬の臨戦過程を見ると、8月末の芝1400メートル戦に始まり、メルボルンCまでの約2カ月の間に5戦も消化していた。
「オーストラリアではレースを使って仕上げるのが一般的。過去10年で3頭の優勝馬を送り出す最重要ステップのGIコックスプレートも、本番の10日前と、海外勢の“常識”からは、かけ離れた日程です。ちなみに08年と09年の勝ち馬は、前走から『中2日』での出走でした」
今年も10月29日のGIIIレクサスSからの出走馬がいれば要注意となる。海外競馬に詳しいスポーツ報知の牧野博光記者が話す。
「08年に中2日で勝利したヴュードは前走11着からの逆襲劇でした。以前、地元の名伯楽が『勝つ秘訣』の一つに、軽ハンデを取るために『注目されないこと』と話されていたようですし、前走の負けっぷりに注意したいですね(笑)。例えば、ステップレース的なGIコーフィールドC。ここからの勝ち馬は06年のデルタブルースだけですが、12年と14年には、このレースで13着だった馬がともに3着に食い込んでいます」
馬券戦略としては、前哨戦で大敗した馬と中2日のローテーションがキーワードになりそう。ここに掲載している馬柱はあくまでも想定なので、出走馬が確定した際は要チェックだ。
では、今年の注目馬は?前出・秋山氏が語る。
「ハンデ戦でなく定量戦であれば、恐らくハートネルが勝つと思います。昨年3月にはGIザBMW(芝2400メートル)でトゥザワールドを下して優勝。10月21日現在、GII、GII、GIと3連勝中で、いずれも楽勝しています。軽ハンデ馬ならアルマンディン。現在、準重賞、GIIIと連勝中で、その勝ちっぷりがとても優秀でした。コーフィールドC組であれば、勝ったジャメカは当然ですが、3着エクソスフェリックと、6着アワーアイヴァンホウがおもしろそうな存在です」
日本馬のカレンミロティックに勝機はあるのか? 前出・牧野記者が話す。
「陣営は『8歳馬だけに大きな上積みこそないが、順調そのもの。ハンデしだいも、勝算は五分五分』と。鞍上も昨年4着のT・ベリーだけに期待十分です」
海外での予想オッズでカレンミロティックは単勝21倍の11番人気。超万馬券に一役買うかもしれない。