「反原発」「反増税」で浮動票
何しろ小沢氏自身、「9月総選挙」に自信を見せているというのだ。「選挙の神様」と呼ばれるその強さについて、政治評論家の小林吉弥氏が話す。
「今回は厳しい船出でしたし、次の総選挙を単独で戦えば、最悪のケースなら(議席数が)1桁台ということもありうる。まさに“政治生命”にも関わりかねないのですが、自由党時代の00年の総選挙も厳しい戦いでした。その時の比例で660万票を集め、永田町を驚かせたものでした」
もちろん、その後の政治資金を巡る問題や「夫人の離縁状」報道など、小沢代表人気のカゲリは否めない。だが、「生活」の支持は、当時よりも高いというデータもあるという。
政治部デスクによれば、
「産経新聞社とFNNの合同世論調査で、『生活』の政党支持率は3・7%でした(共同通信社の調査では4・8%)。これは公明党よりも高く、かつての小沢自由党結成時の3・2%(時事通信の調査)に比べても高い。この数字に民主党の執行部も戸惑っています。小沢氏を切れば、支持率回復と思ってましたからね(笑)」
策士・小沢氏の目指す政界再編は“緩やかな連合”だ。新党きづなをはじめ、良好な関係にある新党大地や減税日本、さらに都市部に強いみんなの党や、第3極のキーマンと呼ばれる橋下大阪市長率いる維新の会とも連絡を取り合い、候補者の棲み分けを探りながら独自に戦う作戦のようだ。前出・政治部記者が語る。
「提携は水面下で調整中のようですが、『生活』は独自に戦い、選挙結果で政権の枠組みを考える方針。総選挙で小沢氏が橋下氏と組む可能性は低く、増税連合が衆参国会議員の8割以上を占める状況下、『反原発』『反増税』『反TPP』で浮動票を狙う。一方の“第3極”の中心人物の橋下・維新の会は、再編のセンターピン(核心)として『道州制の実現』を打ち出し、明治維新以来の中央集権制度の打破をもくろんでいます」
ちなみに「道州制」とは、中央政府の他、全国10程度の州政府(人口1000万人程)と300程度の市政府(人口30万~50万人程度)によって、国を構成するものという。