政治部記者が語る。
「あれだけ目立ちたがりなのに、今回はぱったりと姿を消していることもあって、ガン告知を受けて意気消沈しているのではないかという噂はあります。石原氏は12年の衆院選にあたって、約2週間、複数の病院で検査に検査を重ねて太鼓判を押され出馬した経緯があります。仮に当選後、ガンが見つかってもごく初期のものであり、高齢ゆえに進行も遅いので、この説にも疑問符が付いています」
衰える心臓に、肝臓の既往歴──さまざまな憶測がささやかれる中、石原氏を入院直後に見舞った、日本維新の会・平沼赳夫副代表(73)がこう答えた。
「非常に元気でしたよ。昨日(3月12日)私のところに石原さんから電話があって、日銀人事の話をしました。自分の考えを説明すると、『平沼さんに一任する、同じ意見だ』と答えました」
時に笑みを浮かべながら、余裕の態度で語る平沼氏の様子からは、盟友・石原氏の危機はうかがえない。
「1月に目の手術(白内障)を受けましたが、元気になったんですよ。ところが、奥さんが腰の骨を折って入院してしまったのです。その時に、カゼをひいてしまい、看病する人が家にいないので主治医の勧めで入院したという程度の話ですよ」(前出・平沼氏)
それでは、なぜ「面会謝絶」となったのか。
「奥さんはもう退院しています。石原さんの入院を伝えれば人が一気に押し寄せてくるので、面会謝絶にしたほうが楽ですよ、と私が提案しました。石原さんは『そうする』と言って誰にも会っていないのです」(前出・平沼氏)
体の問題にはひとまずの答えが出たものの、問題は別なところにあると指摘するのは、前出・政治ジャーナリストだ。
「足と腰がかなり衰えてきていて、会合などを開く時に座敷であぐらがかけなくなり、椅子を使うようにしているようです。演説などで同じことを繰り返し言うのも目立っているし、以前より忘れっぽくなっています。もともとは物書きなので豪胆なように見えて繊細なところがあります。そうした衰えは当然、本人も気づいており、心に暗い影を投げかけています」
こうした事例は、本誌12年12月27日号で既報している。昨年末の都連の会合で出席する予定のない息子を探し、「(石原)伸晃はいないのか?」と質問した一件である。カゼの根本原因に老いからくる衰えがあるかと、平沼氏に尋ねると、
「もう80歳だよ」
と笑うのだが、ショックな出来事が石原氏を襲っていたのだ。