史上最大の番狂わせが起きた! アメリカ大統領選挙で「泡沫候補」だったトランプ氏が、下馬評を覆してクリントン氏を撃破。これまでの「過激発言」が実行されれば、世界各国でパニック状態になるのは必至。「核」のボタンまで手にした、米「最凶」の新大統領が「第3次世界大戦」を引き起こす日が近づいているのか──。
「我々の大統領ではない!」
「人種差別主義者だ!」
11月9日夜、全米各地で「反トランプ」派のデモが吹き荒れ、参加者たちが不満を爆発させた。だが、どれだけ声をからしても“結果”が覆ることはない。初の女性大統領を目指した民主党のヒラリー・クリントン氏(69)を破り、共和党のドナルド・トランプ氏(70)の第45代アメリカ大統領就任が現実となった──。
選挙戦終盤までクリントン氏が有利という事前予想が伝えられていた。トランプ氏を取り巻く環境は厳しく、選挙資金はヒラリー氏の半分ほど。味方であるはずの共和党は分裂状態で、さらにアメリカの有力紙のうち「ワシントン・ポスト」「ニューヨーク・タイムズ」をはじめ、57社がクリントン氏を支持。トランプ支持は、わずか2紙の新聞社のみだった。
反トランプのメディアスクラムにより、大々的なネガティブ・キャンペーンが連日のように展開されたが、トランプ氏は過半数の270人を上回る選挙人を獲得した。経済評論家の渡邉哲也氏が逆転勝利の背景を説明する。
「人権問題や差別主義者などのレッテルをメディアが貼っただけで、トランプ氏はアメリカ人の本音の代弁者だったのです。不法移民を追い出せという発言も、当たり前の話。アメリカが自国の利益最大化を望むのは当然でしょう。世論調査と選挙結果の乖離は、アメリカ人の本音と建て前の部分が明確に出たということ。表向きは支持を言わずに、投票した人が大勢いたからです。自分たちに都合の悪い言論を封じ込めていましたが、この結果で多くのメディアがその資質を全否定された形です」
軍も含めて公職経験のない「政治の素人」が超大国トップの椅子に座り、世界各国は大慌てで対応に追われている。
特に日本政府関係者は、クリントン氏が勝利すると分析していた。9月に安倍晋三総理(62)が訪米した時も、トランプ氏とは会わず、クリントン氏と会談をしていたのである。
「今年に入って安倍総理は外務省などに、いちおうトランプ氏の情報収集をするように指示を出していました。それでも大統領になるとは思っていなかったようで、当選後、安倍総理が『話が違う!』と外務省関係者にグチっていました。パイプを持っていた麻生太郎財務相(76)が、トランプ氏側と調整を進めて11月17日にニューヨークでの初会談を何とか取り付けることができました」(官邸担当記者)
それでも主要な政府関係者の中で、トランプ氏側とパイプを持っている人物はほとんどおらず、新たな「日米関係」を築く必要性に迫られている。