連日、動向が報道される小池百合子都知事(64)だが、一転して「小池劇場」の雲行きが怪しくなってきた。
10月30日、2902人が参加した小池氏の政治塾「希望の塾」の開塾式が行われた。来年7月の都議選をニラみ、「小池新党」結成も視野に入れて、強力な「数の力」を手にしたかのように報じられているが、
「しょせんは烏合の衆です。使えそうなのは20人もいるかどうか‥‥」
と肩を落とすのは、同塾の関係者である。
「できるだけいい席に座ろうとする塾生同士で『抜かすなバカヤロー』と怒号が飛び交った。とても政治家になる器じゃありませんよ。最前列に陣取ったのは、都知事選でも小池氏を熱狂的に応援した『小池ファンクラブ』の女性たち。小池氏の登場に黄色い声援を飛ばし、政治塾とは信じがたい光景が繰り広げられた」
そんな小池氏が目下、最大のピンチを迎えているのが、五輪問題である。都政に詳しいジャーナリストが顔を曇らせる。
「五輪施設の予算削減に関する政府、組織委、IOCとの4者協議で主導権を献上したのは痛恨のミス。小池氏は、4者協議を持ちかけたIOCのバッハ会長にハメられたんです。何せ小池氏以外の3者が完全にグル。公開の場で協議する案も却下され、世論の後押しを失った。結論は11月末に持ち越しとなりましたが、都の完敗は必至です」
さらに都の関係者からは、豊洲問題の「必敗」を予見する声も出る始末で、
「『盛り土』などで担当者の責任追及をあおり、世論の支持を集めましたが、今や専門家会議でも土壌汚染や耐震強度で『問題なし』の意見が強く、白紙に戻すという勢いは消えつつある」
豊洲問題を取材するジャーナリストも言う。
「『客観的なデータに異常がなければ、このままでは豊洲問題は壮大な空騒ぎになる』と指摘していた橋下徹元大阪市長(47)の言うとおりになってきた。小池氏が突然、政治塾に橋下氏を講師として招くことにしたのも『異なる意見も取り入れる』との姿勢を見せ、豊洲騒動の失点をごまかす意図を感じます」
迷走劇場の結末やいかに。