社会

記憶力低下、疲労感…「男の更年期障害」にテストステロン補充で第2の青春を

20161226kounenki

 物事をやるのが億劫だ。体がダルい。ヤル気が起きない。そんな症状を冬の寒さのせいだと思っていると大変。男性ホルモンの減少が原因という場合が多いといい、それがなんと、鬱病やガンの原因にもなるというのだ。

 亡くなった漫画家・はらたいらさんが使って有名になった言葉が「男の更年期障害」。症状は「認知・身体機能の低下(うつ・メタボ・骨折・不眠・肩こり・衰弱・筋力の衰え・頭痛・疲労感・記憶力低下・脳の海馬の減少)」。現在、世界的にLOH症候群(男性更年期障害)と呼ばれている。更年期障害の原因は女性の場合、閉経という劇的な変化を伴うのに対し、男性の場合にはそのような変化が起きない。さらに、「やる気のなさ」「体のダルさ」は怠けていると見られ、自身を責めてますます症状を悪化させてしまう。東洋医学研究家で整体師の三上藤雄氏が言う。

「東洋医学では、体の中での活力の場を『腎』と呼び、生命の源と考えられています。この『腎』の活力がなくなってしまう状態を『腎虚』と呼び、男性の大厄である42歳がこの腎虚になりやすい年齢と説いています。これが男性の更年期の正体です」

 西洋医学の世界でも近年の研究によって、男性更年期障害の原因、つまり「腎虚」の原因は男性ホルモンの低下によることがわかったという。三上氏はこうも付け加える。

「冬は五行学説で考えると『腎』にあたる時期。『腎』は寒さに弱いため体が冷えたり、この時期に不摂生な生活を続けたりすると、機能が衰えやすくなってしまう」

 男性ホルモン「テストステロン」は一般に30歳ごろから減少しはじめ、年に1~2%の割合で減少する。テストステロンの減少は仕事の不調や社会との不適合から生きがいの喪失に繋がるが、体にも大きな影響を与える。

 男性ホルモン補充薬「グローミン」(塗り薬)などを製造している大東製薬工業(株)の福井厚義社長が言う。

「LOH症候群の人への追跡調査では、テストステロンの減少はガンや心臓病、糖尿病、メタボになりやすく、短命に繋がることがわかってきました。今や中高年の6人に1人がLOH症候群と言われています。運動や生活習慣の見直しも必要ですが、男性ホルモンの補充も必要になります」

 ホルモン補充療法というものもあるが、大半は注射であり、敷居は高い。亜鉛やアミノ酸を含む食べ物や、テストステロン軟膏は手軽に効果が期待できるので、試してみる価値はありそうだ。

(谷川渓)

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