政治

天才テリー伊藤対談「鈴木宗男」(1)露に変わってから問題が動き始めた

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●ゲスト:鈴木宗男(すずき・むねお) 1948年、北海道生まれ。拓殖大学在学中から衆議院議員・中川一郎氏の秘書を務める。83年、衆議院議員選挙に初当選。その後、防衛政務次官、外務政務次官、衆議院議院運営委員長、北海道・沖縄開発庁長官、内閣官房副長官、自由民主党副幹事長、同総務局長などを歴任する。02年、外務省を巡る疑惑事件に巻き込まれて自由民主党を離党。同年、斡旋収賄の容疑で逮捕される。03年に保釈。05年、「新党大地」結党。同年9月、衆議院議員総選挙で当選を果たす。2010年9月、最高裁判所が上告を棄却し、懲役2年の実刑判決が確定、衆議院議員を失職。同年12月に収監。11年12月、仮釈放。現在は「新党大地」代表を務める。

 さまざまな期待が集まる中、昨年末に行われた日露首脳会談。中でも北方領土問題の前進が大きく期待されたが、その論客として注目を浴びたのが鈴木宗男氏だ。あらためて北方4島はいつ戻ってくるのか、逮捕・収監の思い出、そして今年の目標を天才テリーに熱く語った!

テリー もうずいぶんお話されているとは思うんですが、あらためて昨年12月に行われた日露首脳会談についてうかがいます。鈴木さんは、今回の会談をどう評価されていますか?

鈴木 会談直後の新聞各紙は「北方領土問題で進展なし」という報道でしたが、私は平和条約締結に向けて大きな一歩を踏み出せたと思っています。

テリー でも、この会談が決まった時には、「ついに北方領土が返ってくる!?」みたいな空気が日本中にあったじゃないですか。僕も家にあった地図を広げて、「とりあえず歯舞と色丹の2島ぐらいは返ってくるのかなァ」なんて思っていたので、この結果はやや期待外れだったかなァ、と。

鈴木 そこはね、テリーさん。やっぱりすぐに「領土を返す」という話にはなりません。お互いの国に世論がありますから。日本の世論では過半数が「まず2島でもいいから、早く返してほしい」ですが、ロシアは世論の89%が「1つも返すな」なんです。

テリー うーん、まだまだ溝は深いですね。

鈴木 そういう世論も背景にしながら、平和条約締結に向けていちばん現実的な進め方をしていかなければなりません。そう考えると、「まずは経済協力から」というのが、私は真っ当な話の筋道だと思います。

テリー ただ、今はロシアが不景気ですから、日本に経済協力だけさせて、結局1島も返ってこないってことになるのが心配なんですよ。キャバクラでオッパイ触ろうとしたら、「その前にお金ちょうだい」って言われて、結局、触らせてもらえないみたいな(笑)。

鈴木 いわゆる「食い逃げ論」ですね。でも、それはないんですよ。

テリー なぜ、そう言い切れるんですか?

鈴木 経済協力は税金を使うのではなくて、民間企業が出ていく形になるからです。民間は採算が合わないと出ていきませんが、ロシアは油やガスを持っていますから、まず損はない。その将来性を見込んでの投資はあると思いますね。

テリー なるほど。ということは、それらがうまく回っていけば将来的に北方4島に日の丸が立つ、ということですよね。

鈴木 ええ。しかし沖縄の返還だって、戦後27年かかっていますから。

テリー だって、もう今は戦後71年目ですよ。まだまだかかるものなんですか?

鈴木 いや、現実にはまだ25年と言ったほうがいいでしょう。

テリー え、それはどういうことですか?

鈴木 91年までのソ連は共産主義国家で、それまで「領土問題はない」と主張していたんですから。それがロシアになって、「法と正義に基づいて、話し合いで解決しましょう」ということになって、やっと領土問題が具体的に動き始めたと言えるのです

テリー なるほど。そう考えると、まだ25年なんだなァ。それでも、あと2年で沖縄と並びますよ。

鈴木 安倍総理は頑張っていますし、私は間違いなく、今回新しいスタート台には着けたと感じています。

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