史上最年長のプロ棋士である加藤一二三九段が、競合する別の棋士が1月19日に勝ち星を挙げたことにより、残された対局を終えた時点で現役を引退することになった。
現在77歳の加藤九段は、近年は棋士としてだけではなく、深夜バラエティ「アウト×デラックス」(フジテレビ系)に準レギュラーとして出演しており「ひふみん」と呼ばれていた。史上最年少の14歳7カ月でプロ棋士になると、「名人」や「王位」などのタイトルを合わせて8期獲得するなど、60年以上も将棋界で活躍。加藤九段が現在在籍している「C級2組」は、在籍する棋士の中で10局を戦い、通算成績が下から一定数の順位に入った棋士には「降級点」が与えられ、これが3つ重なると順位戦に参加できない「フリークラス」に降格となる。さらに降格による「フリークラス」入りは60歳までとされる年齢制限があるため、加藤九段の引退が決定したのだ。
「最近の加藤九段は順位戦で1勝7敗と奮いませんでした。そこにいるだけで場を明るくしてくれる加藤九段の現役引退は悲しい限りです。バイタリティあふれる加藤九段のことですから、将棋界とは別の場所でも活躍してくれるはずです」(将棋専門誌編集者)
愛されキャラの「ひふみん」。今後は、テレビからお茶の間を明るく照らしてくれることだろう。