「PPAP」の大ヒットで知られるピコ太郎が3月6日、日本武道館でライブを開催。五木ひろしや高須クリニックの高須院長、爆笑問題、東京スカパラダイスオーケストラといった大物ゲストが参加し、7000人の観客を大いに沸かせた。ライブ事情に詳しい音楽ライターは、本公演が成功だったと太鼓判を押す。
「ネットには会場の半分しか使っていなかったとバカにする声もありますが、最近の武道館ライブでは客席を潰して巨大なステージを作り、最初から7000人規模のライブとして制作するのが一般的。3階席まで埋まるなど、ライブとしては成功の部類です。ただ全体としては明らかに大赤字でしょうね」
7000人でも赤字とは驚きだが、3000万円程度のチケット収入に対して、制作費は5000万円は下らないようだ。大型ステージには巨大なLEDスクリーンも設置され、大物芸能人を多数出演させたのに加えて海外からもゲストを呼ぶなどコストは膨れ上がるばかり。それでも主催者側としては問題ないというのである。前出の音楽ライターが続ける。
「今のピコ太郎は『PPAP』バブルが一服し、次の展開に移行する時期。アーティストではこういった場合、大型の宣伝キャンペーンを展開するものです。しかしターミナル駅の巨大ポスターやテレビCMに始まり、CDショップや雑誌・ウェブとのタイアップなど広告費は数千万円から1億円単位で飛んでいくもの。それに比べると各メディアで大きく取り上げられた今回の武道館ライブが、大きな広告効果を生んでいることは間違いありません」
翌日の情報番組では各局が数分を費やしてこのライブを紹介し、これだけでも広告費換算で1000万円単位の価値があるはず。さらには出演者によるツイートやブログなどSNSでの拡散も相当な広告効果を生んでいる。アンチも含めてネットでピコ太郎を話題にすればするほど、今回の武道館ライブは大成功に近づくようだ。
(金田麻有)