北野武監督が俳優・ビートたけしとして22年ぶりにハリウッド映画「ゴースト・イン・ザ・シェル」に出演。3月16日にヒロインのスカーレット・ヨハンソン、ルパート・サンダース監督らが出席して来日記者会見が行われた。同作は人気SFコミック「攻殻機動隊 THE GHOST IN THE SHELL」の実写版で、たけしは原作ファンの反応の良さにご機嫌。「もしかすると実写版で最初に成功した例じゃないか」と胸を張ってみせた。
日本とハリウッドとの撮影の違いを聞かれたたけしが熱弁を振るったのが、金のかけ方。まず「自分が監督をやるときは非常に簡単に1テイクが多い」と説明。多忙な自身のスケジュールを優先することと予算を抑えるために、たいていテスト1回、本番1回で終わる。だが、本作ではかなりねちっこく撮られたそう。
「歩くシーンで、監督から『Good』って言われて、よかったのかと思ったら、『One more』と言われてやり直し。その後は『Nice、one more』『Very Good, one more』『Excellent, one more』『Genius ,one more』とやり直させられた。自分は最高3カメくらいしか回さないが、5台のカメラでそれも5回か6回やって、30カットくらいの撮り方をした。『これはお金かかるなとつくづく思いました』と目を丸くしていた」(映画ライター)
とはいえ、たけしも4本目の監督作となる映画「ソナチネ」で、とんでもない贅沢をしていた。
「それまでの監督作は映画評論家の評価が低く、観客の反応も悪くてコケてばかりいたので、製作時に『自分の最後の作品にしようと思って、好きなもん撮ってやろう』と、5億円もの製作費をかけ、“隠れ家”として、本建築で家を一軒建てていたが、結局、最後まで使わずじまいだった。額の大きさはハリウッドにかなわないにしても、かなりの贅沢なのでは」(スポーツ紙記者)
4月7日公開の同映画で、こだわりの1シーンが拝める。
(塩勢知央)