芸人にはいきなり売れてロケットスタートで花が開くパターンもまれにいる。今でこそ、「炎上芸人」や「絵本芸人」としてのキャッチフレーズが付いているキングコング・西野亮廣だが、デビュー時は超人気のアイドル芸人。ハイスピードで出世街道を爆走した。お笑い雑誌の編集経験もあるフリーエディターに、当時を振り返ってもらった。
「大阪NSC(よしもとのタレント養成所)に通っていたころ、『第30回NHK上方漫才コンテスト』最優秀賞を受賞したため、すでに女性ファンが付いていました。在学時代にこの賞を獲ったのは、後にも先にも彼らだけ。西野くんは、“よしもとイチ”と言われたイケメン。相方の梶原(雄太)くんは、“ナイナイ岡村隆史の再来”と注目され、挫折ゼロのまま、99年のデビュー2年後、『はねるのトびら』(フジテレビ系)のレギュラーに抜てき。またたく間にスターになりました」
そんなキンコンに匹敵するのが、オリエンタルラジオだ。慶応ボーイの中田敦彦、明治大学出身の藤森慎吾は、そのハイスペックぶりが注目され、03年に結成した翌年、「M-1グランプリ2004」で準決勝まで勝ち進んだ。キンコンと同じく、在学中の快挙だった。
翌2005年には、早くもレギュラー番組をゲット。2006年には冠番組までスタートさせ、仲間芸人を嫉妬させた。しかし、堕ちるのも早く、あっという間にレギュラー0本に。ところが、藤森がチャラ男キャラ、中田がインテリ分野で再ブレイク。昨年は、ダンス&ボーカルグループ・RADIO FISHをヒットさせて、「NHK紅白歌合戦」に初出場。3度もムーブメントを起こしている。
「振り返れば、NSC第1期生のダウンタウン、吉本印天然素材だったナインティナインも、下積みゼロのまま人気が爆発しています。笑いの町・大阪発の芸人は、下地ができあがっているのかもしれません」(前出・フリーエディター)
キンコン、オリラジともにアップダウンが激しいだけに、安定には縁遠いのが唯一の弱点かもしれない。
(北村ともこ)