今週は「フローラS」が東京で行われる。過去5年、1~3番人気での連対が4度も、3着は13・3・13・9・18人気。京都の「マイラーズC」は、1、2番人気が連対したのは過去5年で1頭のみ。両重賞とも波乱含みの一戦だ。
桜花賞、皐月賞が終わって舞台は京都・東京へ。そしてオークス、ダービーが迫ってきた。 そのオークスのトライアル、GIIサンスポ賞フローラSが東京開幕週のメインとして行われる。
東京の2000メートル戦は2コーナーのポケットがスタート地点。加速がついたところで急に折れる最初のコーナーがある。そのため、多頭数(フルゲート18頭)になるほど外枠を引いた馬は厳しい競馬を強いられる。コーナーをスムーズに回れなかった馬のアオリを食って、コースロスを強いられるような不利を被りやすいわけだ。
よって中山のマイル戦と同じく、枠順による有利、不利があり、脚質のいかんにかかわらず、真ん中より内枠を引いた馬がよく連対を果たしている。このへんをよく頭に叩き込んでから馬券作戦を組み立てるべきだが、枠順発表は週末。今からどうこう考えても詮ないことだが‥‥。
それと、トライアル(3着までにオークスの優先出走権)といっても、ダービーのそれ、次週の青葉賞同様、ここで勝ち負けした馬は本番でも、というケースはマレ。ここ十数年でもベッラレイアが2着、サンテミリオンがアパパネと1着同着したぐらい。やはりオークス本番は、桜花賞上位組が圧倒的に優位で、馬券的観点から言えば別モノのレースと捉えたほうがいいのかもしれない。現時点では実力的に2、3番手グループ同士の争いで、それだけに波乱の目は十分あると見ていたほうが無難だ。
03年に馬単が導入されて以降、これまでの14年間、その馬単で万馬券になったのは4回(馬連は3回)。そう荒れているように思えないだろうが、この間、1番人気馬は5勝(2着2回)、2番人気馬は3勝(2着3回)で、10番人気-8番人気、9番人気-15番人気という組み合わせの大波乱もある。とにかく、一筋縄では収まりにくい重賞という認識を持っていてもよさそうだ。
今年もフルゲートの可能性が高い。除外覚悟でエントリーしてくる馬が多く、1勝馬は抽選になると思われる。2、3番手グループでの争いと前述したが、その1勝馬の中に将来を担うべき素質馬が少なくない。顔ぶれを見渡して「これはオークスでも!」と思える絶対視できる馬がいないだけに、1勝馬に目を向けるのは決して無謀なことではないだろう。
期待を寄せてみたいのは、レッドコルディスだ。
前走の君子蘭賞は5着に敗れたが、新馬戦勝ち以来5カ月半ぶりの実戦。しかも取り消し(感冒)後の一戦で、体調が整っていなかった。イレ込んでいたため大きく出遅れたが、それでいてメンバー最速の上がり脚で勝ち馬とコンマ5秒差の好内容。高い能力を秘めていればこその競馬だった。
この中間は立ち直って、ここ目標にしっかりと乗り込まれている。落ち着きを取り戻して雰囲気が実によく、一変して好気配を誇っている。
「うちの期待馬。素質は文句なくオープン級です」
こう言って胸を張るのは高橋忠調教師だが、中間の稽古の動きは軽快かつリズミカル。まずは存分に力を出せる状態にあると見てよさそうだ。
あか抜けて均斉の取れた好馬体からも秘めた力は相当なものと察せられる。英・愛ダービーを制したコマンダーインチーフ、ウォーニング(全欧2、3歳王者)が近親にいる良血。よほどの外枠を引かないかぎり、チャンス大と見た。