1970年から80年代にかけてアメリカのプロレスで活躍した元プロレスラーのキラー・カーンが、半生をつづった自伝「“蒙古の怪人”キラー・カーン自伝」を出版した。
キラー・カーンはアメリカのマット時代、長く伸びたヒゲにモンゴルをおもわせる衣装で「蒙古の怪人」や「闘うモンゴリアン」の異名を持ち、ヒールとして人気を博した。1981年にはアンドレ・ザ・ジャイアントの右足をニードロップで骨折させ、名を上げた。1980年代には日本のリングにもあがり、ダイビング・ニー・ドロップやモンゴリアンチョップを武器に大暴れ。多くのファンを獲得した。
自伝の中でキラー・カーンはプロレスの神様カール・ゴッチからモンゴル人としてヒールになるように言われたと明かしている。すると「キラー・カーンはモンゴル人じゃなくて日本人だったのか!」と驚きの声が上がった。
「本名は小沢正志。新潟県出身で、高校中退後は春日野部屋に入門して力士になりました。1963年には初土俵を踏んでいます。195センチの巨体で将来を期待されたのですが、結果は残せず、1971年にプロレスに転じています。その後、ヨーロッパ、メキシコを経てアメリカへ。そこでゴッチさんからヒール転向を命じられ、モンゴル人になりました。日本人であることは、プロレスファンの間では有名な話なんですが(笑)。一般的にはあまり知られていなかったようですね」(プロレスライター)
一方であの風貌ならモンゴル人と間違えるのも無理はないという意見もあるようだ。そんなキラー・カーンは現在、新宿百人町で「居酒屋カンちゃん」を営んでいる。
「キラー・カーンみずから接客をしていて、お客さんのリクエストに応えて昔の秘話を明かしてくれることもあります。お客さんもプロレスファンが多いので、当時のプロレスを観ていた人にはたまらないお店ですよ」(前出・プロレスライター)
お店で提供されるのはおいしいお酒と料理。モンゴリアンチョップを食らうことはないのでご安心を!