ヤクザ社会では両者の器に関して、決定的な差がつかなかった。しかし、政治のプロたちの間では、歴然たる格差がついた調査結果もある。
月刊誌「文藝春秋」9月号に掲載された「『総理候補』22人を採点する」という記事だ。政治部と経済部の記者70人へのアンケートをもとに、示されたランキングで進次郎氏が1位。橋下氏は5位に甘んじているのだ。
本誌もさっそく、プロたちに意見を求めた。
ある政治部記者は両者をこう評する。
「世間ではメディアに取り上げられる頻度などから、橋下氏に軍配が上がるかもしれません。しかし、橋下氏も進次郎氏も国政において実績がないという点ではまったく同じです。ただ、進次郎氏が自民党の部会にも早朝から出席して、きちんと勉強を積んでいる。橋下氏が話している内容はどう聞いても実現の可否が不透明で、一夜漬けの勉強の結果にしか聞こえない。世襲批判もありますが、政治家一家に生まれた人間と素人の違いは大きい」
政治のプロにしてみると、表側の成果以上に裏側での努力を重視しているということのようだ。
しかし、別の政治部記者は違う見方を示す。
「進次郎氏にスポットライトが当たっているのは、自民党の人材不足の裏返しでしかない。安倍氏より若い代議士で国民に顔と名前を覚えられている人はいない現状ですからね。進次郎氏が勉強熱心なのは認めますが、講演などを何度か聴くと、毎回のように野球部時代の話、『日本のケネディになる』という話、『政治家の武器は言葉である』という主張、この3つの話題ばかり。橋下氏のほうが、日本を変えてくれる期待が持てる話をしていると思いますが‥‥」
もはや、記者個人の好みの問題なのかもしれない。
政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏が言う。
「両者ともに、対面すると実に礼儀正しい好青年です。人間性は政治とは無縁にも思える話かもしれませんが、議員バッジを付けたとたんに頭を下げなくなる人間もいる中で、年長者や有権者は敏感に気づくもので、重要な要素です。ただし、似ているようで、決定的に違うのは政策の面でしょう」