●ゲスト:けんどー・かしん 1968年、青森県生まれ。早稲田大学レスリング部時代に全日本学生選手権3連覇、全日本選手権優勝。92年、新日本プロレス入団。96年、ヤングライオン杯優勝。同年、欧州遠征の際、ケンドー・カ・シン(のちにカシン)となる。99年、第2代IWGPジュニアタッグ王座戴冠。同年、ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア6で優勝、第34代IWGPジュニア王座。2000年、PRIDE出場、本名の石澤常光としてハイアン・グレイシーと対戦、KO負けするが、翌年KO勝利。02年、新日本プロレスを退団し、全日本プロレスへ移籍。現在はフリーで活動中。08年、早大大学院スポーツ科学研究科修士課程合格、昨年より慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)非常勤講師に就任。来る10月31日、東京・後楽園ホールで行われる大仁田厚選手の引退興行「大仁田厚ファイナル」に出場。「大仁田厚VS藤田和之、ケンドー・カシン、NOSAWA論外」戦が行われる。初めての著書「フツーのプロレスラーだった僕がKOで大学非常勤講師になるまで」(徳間書店)が好評発売中。
奇抜な発言やパフォーマンスでリング内外を縦横無尽に暴れ回り、その半生を語り尽くした書籍が先頃、発売されたへそ曲がりプロレスラー、ケンドー・カシン。今回初対面だが、天才テリーは意外なところでカシン選手と接点があったのだ。そのヒントは、2人の服にあり!?
テリー カシンさんは、現役レスラーでありながら慶應大学の湘南藤沢キャンパス(SFC)で非常勤講師も務めているそうですね。俺も今、SFCの大学院に通っているんですよ。
カシン ええ、存じています。だからさっき、大学のTシャツを買って着てきたんですよ(笑)。
テリー ハハハ、俺も慶應のスウェットに着替えてきました。まさかこんなつながりがあるなんてね。まあ、講師と生徒じゃ、立場が全然違うんだけど。ところで、初めての書籍「フツーのプロレスラーだった僕がKOで大学非常勤講師になるまで」が発売になったんですよね。
カシン はい、もうタイトルどおりの内容で、Q&A形式で構成されているんですけど、実はそれを担当してくれたのが、アサ芸の連載を担当している方なんです。
テリー へえ、そういう意味でも、カシンさんのアサ芸登場は必然だったと。しかし、こういう本が出たら、学校も喜んでいるんじゃないですか?
カシン いや、そんなことないと思いますよ。だってタイトルに「慶應大学」と入れたかったし、表紙も校内で撮りたかったんですが、全部ダメでしたから。
テリー えっ、それは意外だね。
カシン どうやら許可申請の時、本の内容を「ポエム」と書いたことが却下の理由だそうです。
テリー 個人目的で慶應を利用してはいけない、と。でも、ちゃんと宣伝になると思うんだけどね。どういう経緯で、講師を務めることになったんですか?
カシン 大学時代の友人が日吉キャンパスでボクシングの講師をやっていたんですよ。たまたま再会した時に、「何か、仕事ない?」って聞いてみたら、本当に「SFCの非常勤に空きがあるみたいだよ」と連絡してきてくれて。
テリー そうなんですか。どんな授業を教えているんですか。
カシン 週1回、いちおう「プロレス・エクササイズ」ということになっていますけど、さまざまな格闘技から厳選したトレーニングを教えています。SFCはいろいろな体育の種目を毎回自由に選択できて、それを年に14回取ればいいので、生徒がいつも同じというわけでもないんですけど。
テリー 生徒は男性と女性、どちらが多いんですか?
カシン 実は、最近女性が多くて、困っているんですよ。
テリー また変なこと言うなァ。女性が多いと、華やかでいいじゃないですか。
カシン いや、逆にトレーニングをきつく設定できないんですよ。
テリー なるほどね。ちなみに授業の時、マスクはしているんですか?
カシン 慶應に採用されたのは本名だったので、かぶっていません。
テリー 生徒から「先生、かぶってみせてよ」なんて言われたりしない?
カシン 意外にみんな、僕がプロレスラーっていうことを知らないですね。だから、そのあたりは気にしないでやっています。
テリー へえ、ファンにとってはたまらない状況なのにね。