風邪が流行っている。そして症状が長引きやすいのも春の風邪の特徴。そんな風邪に有効な対策法が、にんにくなのだという。
最近のテレビCMで「ロシアでは、にんにくを首にブラ下げるという体調管理法があるそうだ」というものが流れ、風邪対策として「にんにく入りのネックレス」を子供たちの首にかける習慣が紹介されている。にんにくは古来からスタミナ食として知られている健康食であり、体にいいことは間違いないだろう。
日本人と結婚して埼玉県に住むロシア人女性が言う。
「私の出身地、カザフスタンでは、確かににんにくを首からブラ下げると風邪をひかないと言われています。生のにんにくを首からつるしたり、プラスチックなどのケースににんにくを入れて首から下げたりするんです。にんにくは常に新鮮なものを使います。新鮮なにんにくの臭いを吸うことで、風邪やインフルエンザに効果があると言われているからです」
旧ソ連邦時代にインフルエンザが大流行した際には、政府は予防と治療のため、大量のにんにくを輸送。にんにくをロシアのペニシリンと呼び、大々的ににんにく食を訴えたという。
料理家で管理栄養士の大野祥子氏も言う。
「にんにくに含まれるアリシンという成分に強い殺菌力があり、体内に侵入した細菌や風邪のウィルスをやっつけてくれると言われています。アメリカの大学での実験では、バクテリアでいっぱいの皿ににんにく片を入れておくだけで、ほとんどのバクテリアが死滅してしまったと報告されています」
ロシアの習慣には根拠があったのだ。しかし、実際問題、にんにくをブラ下げてはなんとも歩きづらい。そこで、先の大野氏が勧めるのが、にんにくスープである。
作り方はこうだ(4食分)。にんにく3片、しょうが2かけ、ネギ10センチほどを刻んで炒め、塩と胡椒で味付けする。ガラスープ小さじ1、2杯を溶かした水600ccを足し、煮立たせたら、醤油を小さじ1杯。そして大さじ1杯の水溶き片栗粉を入れかき混ぜ、最後に溶き卵を流し入れて沸騰させればできあがり。
簡単、美味。風邪でなくてもお勧めだ。
(谷川渓)