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六本木クラブ殺人 「鉄パイプで頭メッタ打ち」覆面集団の正体 「捜査線上に関東連合と外国人が浮上した」

 去る9月2日未明、東京・六本木のクラブ「フラワー」で、飲食店経営・藤本亮介さん(31)=中野区=が、目出し帽をかぶった約10人の男たちのグループに撲殺された事件。犯人グループとして有名愚連隊やヤクザ組織、さらには雇われた外国人も浮かび上がってきた。関係者に徹底取材し、その動機と背景に迫る─。

 ある捜査関係者は、

「まるで4年前の3月早朝、韓国籍の男性(当時32歳)が西新宿の路上で集団で襲われて殺された事件を彷彿させる。あの事件はいまだ未解決ですが‥‥」

 と本誌に語った。

 類似点は凶器が鉄パイプと金属バットだったこと、犯人グループが目出し帽をかぶっていた点。そして、捜査線上に地元の不良グループや暴力団関係者の影がチラついていたことだ。

 藤本さんが殺害された夜、「フラワー」のVIP席の近くにいた客の一人が言う。

「藤本さんには背を向ける位置にいたんですが、大きな音で振り返ると、バットを持った男が群がって振り下ろしている姿が見えた。彼らが立ち去ったあとに、藤本さんが倒れていて、店内が薄暗いのに赤い血がハッキリ見えました」

 9月7日に警視庁が公開した「フラワー」前の路上の防犯カメラの映像には、2台のワンボックスカーから降りた犯行グループと思われる集団の中に、金属バットを持った男が確認できた。社会部記者が言う。

「ヤクザの抗争では拳銃が主に使われるが、鉄パイプ、金属バットというやり方はヤクザではないかもしれません。暴走族上がりの集団などが考えられます」(全国紙社会部記者)

 では、犯人は何者なのか。一つ一つ可能性を探っていくと、まず市川海老蔵暴行事件など六本木・西麻布付近の事件では必ずと言っていいほど名前が出てくる「関東連合」。もともと暴走族の連合体という彼らが実行犯だという説がある。

「現在の彼らは実業家や芸能プロやAVプロの経営者といった“表の顔”を持ち、その影響力は芸能界にまで及び、六本木闇社会にも通じている。知人の関東連合OBが、『犯人は関東連合の関係者じゃないか』と言っていました」(クラブ関係者)

 藤本さんは、杉並区内でキャバクラを、渋谷でガールズバーと焼き肉店を合わせた業態の店を経営していた。一見コワモテにも見えるが、近所の住民によれば、会えば笑顔で挨拶をする気さくなタイプだったという。ヤクザに詳しいジャーナリストはこう話す。

「藤本さんがヤクザに店の資金を借りたが、一向に返さない。それで狙われたのではないかという証言もあります。ヤクザが外国人を雇ってやらせた可能性もある」

 現場にいた常連客の一人は、

「犯人たちは無言で殴り続け、1、2分で立ち去りましたが、藤本さんと一緒にいた人の話では、完全に無言ではなく、少し日本語が聞こえたそうです。『ドケッ』という発音が『トケッ』みたいに聞こえたとか。店内は、音響がすごくて確かじゃないですが」

 あるいは個人的な恨み、突発的な動機であることを指摘する声もある。

「フラワーが入っているビルだけで週末は数千人の人間が集まっている。特に仕事が夏季休暇の人間も大勢いますからね。あれだけ集まればモメ事はしょっちゅうです」(クラブ関係者)

 それを裏付けるような証言も出てきている。

「今年の冬頃、藤本さんがフラワーのVIP席で土下座せんばかりの調子で謝罪させられているのが目撃されていました」(別の常連客)

 このあたりから、関東連合やヤクザ絡みという複雑なものではなく、単純に、酔客同士のケンカではないかという見方もあるのだ。

 前出の外国人犯行説につながるような証言もある。

「事件の1週間くらい前に新宿で、ある外国人グループとモメていて『お前らは国に帰れ!』と面罵してケンカ寸前になっていた」(新宿の飲食店関係者)

 さらには六本木のクラブ関係者からは、こんな情報が寄せられた。

「大箱で開放的に見えるフラワーですが、実はセキュリティはけっこう厳しく、覆面グループは、いかにも殴り込みのように現れたのにすんなり入って犯行を終えると、スムーズに逃走した。実は当日、人気でなかなかVIP席があかないフラワーにいた誰かが、藤本さんを『今なら空いている』と呼び寄せたフシがある。そして店に到着して程なく覆面グループが現れたとも‥‥」

 警視庁によれば、防犯カメラに映っていた彼らは多摩湖付近まで逃走していたことが確認されているという。一刻も早い解明がまたれる。

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