─パは9月に入っても大混戦ですが、ズバリ優勝するのは?
槙原 俺は西武。オールスター戦までは首位に5ゲーム差の5位だったかな。でも、立て直してきた。やっぱり、底力がある。
赤星 僕はソフトバンクですね。正直に言えば、松田がケガをした時に「終わったな」と思ったけど、小久保さんの引退が発表されたとたんに、チームが一丸となったじゃないですか。戦力的には苦しいはずなのに、粘っこい試合をしている。優勝する可能性は十分ありますよ。
槙原 西武は中島が期待に応えて今、首位打者でしょ。おかわり君も打ち始めて、ベテラン投手の石井と西口も調子を上げてきた。
赤星 栗山のケガ(死球による左尺骨骨折)がなかったら、僕も西武って言いたいところですけど、やっぱり、チームの顔っていう人間が1人でも欠けちゃうと結構大変なので。
槙原 確かに片岡も出てないしな。でも、西武の不気味さというのは、あの外国人がいるじゃない?
赤星 ヘルマンですか?
槙原 そう、ヘルマンがいいんだよ。ホームランには縁のない打者だけど、すでに35盗塁している。それだけでも不気味なんだよ。
赤星 ポジションもコロコロ変わりますしね。一昨日サードを守っていたと思ったら、昨日はセンターで、今日はセカンドという具合。こんな外国人選手は初めて見ましたよ。
槙原 そのうえ、ケガをしない。広島の野村監督が「うちもマークしてたけど西武に持って行かれた」って悔しがってた。見た目は迫力不足だけど、足が速くて、どこでも守れる。どの球団でも活躍できるタイプの選手だな。
赤星 今後は、ヘルマンのような外国人選手を獲得する球団が増えるかもしれませんね。
─混戦の中では楽天が失速気味ですが、7〜8月で2勝しかあげられなかったマー君が要因?
赤星 マー君はしょうがないんじゃないですかね。去年、沢村賞を受賞するなど最高の成績なわけじゃないですか。それを超える成績なんて、そう残せるものでもないですし。それでも防御率2・18で7勝しているわけですから、頑張っていると思いますよ。
槙原 去年はすごく野球に集中して投げてる姿が伝わってきたからな。燃え尽き症候群というか、肘とか腰とか、そうした疲労の蓄積があって当然。本音としては休みたいだろうし、休む時期を持てたらいいんだろうけど、今や日本のエース的な存在だから。それで、あんまり成績があがらないんだろう。ただね、今年結婚して腰が悪くなったっていうのは‥‥。
赤星 ハハハハハ。
槙原 アサヒ芸能的に言うとね(笑)。
─マー君といえば佑ちゃんですが。
赤星 斎藤佑ちゃんの場合は、マー君とはちょっと違うと思うんですよね。プロ1年目の去年は6勝で、今年の開幕投手といっても、やっぱり、まだまだ。
槙原 実力の問題だな。二軍で結構打たれてるけど、二軍だからこそ、ああいうピッチャーがいちばん打たれる。中途半端な球をいちばん打つんだから、二軍では。それに、なめられたら終わりだし。「この投手はやだな」って思わせるやつが勝てるピッチャーであって、「この投手なら何とかなる」と思われて一度でも何とかなったら、バッターは何も怖くないんだから。
赤星 それに2桁勝てる投手って、バッターが手も足も出ない試合が年に2〜3回はあるじゃないですか。
槙原 あるある。
赤星 広島のマエケンにしたって、今年ノーヒットノーランをやってますし、そういう試合を佑ちゃんがしたかというと、たぶん、ないと思うんですよね。
槙原 まあ、プロ野球人気のためには、はい上がってきてほしいけどな。
赤星 そうですね。