長年続いた2時間ドラマを終了させ、新装開店したテレビ朝日の土曜夜の視聴率が散々な結果だ。
夜9時から1時間のニュース番組「サタデーステーション」と10時から「こんなところにあるあるが。土曜あるある晩餐会」を据えたが、「サタデー」は初回から順に8.7%・8.8%・7.3%・6.9%。同じく「晩餐会」は7.7%・7.6%・6.8%・6.4%と、両番組共に1桁台を連発。2時間ドラマ放送時は常に2桁の視聴率をマークしていたのが嘘のような低い数字に甘んじている。
特にひどいのが、今田耕司を司会に据えた1時間のバラエティ「晩餐会」だ。
番組コンセプトは「普段なかなか知ることのできない世界に潜む驚きの事実と、そこに属する人だけが知る興味深い『あるある』を紹介する」というものだが、5月27日放送回のテーマは同番組では、80~90年代のトレンディードラマで主演を務めた俳優、女優たちが当時の裏エピソードを思う存分語りあうというもの。
出演したのは主演連ドラ1話のギャラが300万円だった石田純一、交際した女優は10人越えという布施博、マイケル富岡とマルシアを奪い合った大鶴義丹、新人時代に映画の地方ロケで先輩女優に「食われた」東幹久。キスシーンの相手に吉田栄作を指名したが、スケジュールが合わず涙をのんだ浅香唯、スタッフと交際していたという高橋由美子。
「清純派女優の看板を掲げながら裏で男遊びしていたことを堂々告白する高橋のお盛んぶりや、鶴田真由とキスしたいがために彼女を指名した石田のプレイボーイぶりが白日のもとにさらされるなど一つ一つのエピソードは面白かった。ただ、どれも楽屋落ち話で、土曜夜の10時から1時間引っ張る話でもない。かつて主演を張った売れっ子たちも久々にスポットライトを浴びたはいいが、劣化が激しく、アップは正直つらかった。時の移り変わりをまざまざと思い知らされた」(芸能ライター)
常勝の日本テレビに追いつけ追い越せと今春、大幅な番組刷新をしたテレ朝だが、視聴率2位の座はTBSに明け渡したまま。過去の栄光にすがる俳優に昔話をさせる後ろ向きの番組では、フジテレビと同じで発想が貧困すぎやしないか。
(塩勢知央)