夏の甲子園では、たった1度だけ北海道勢同士の対決が実現している。94年第76回大会の2回戦。南北海道代表の北海と、北北海道代表の砂川北(現・砂川)の顔合わせだった。
北海道勢同士の対決となったこの一戦は、先制点を巡る攻防が互いの明暗を分ける形となる。北海は1回裏の攻撃でボール球を見極め、まず、押し出しで先制。さらに2アウトからもエラー絡みで追加点を挙げ、1安打3四球で3点と効率のいい攻めで試合の主導権を握った。対する砂川北は1回表に先頭バッターの二塁打と暴投でノーアウト三塁という絶好の先制のチャンスを迎えたが、北海のエース・岡崎のカーブに大振りして後続が連続三振を喫し、得点できなかった。
その後もボール打ちが目立ち、結局1得点止まり。かたや北海打線は2回裏にも中軸が3連打するなど2点を追加。3回裏にも1点を加えるなど打線が活躍して10‐1で北海が砂川北に圧勝した。
ちなみに北海道勢対決を制した北海はこの大会で、北海道勢として夏では32年ぶりとなるベスト8進出を果たしている(32年前にあたる62年第44回大会のベスト8も北海であった)。なお、甲子園では春の選抜における北海道勢同士の対戦はいまだに実現しておらず、この北海対砂川北の一戦が現段階での最初で最後の甲子園北海道勢対決となっている。
(高校野球評論家・上杉純也)=敬称略=