今年の夏の甲子園、準決勝の第2試合は花咲徳栄(埼玉)対東海大菅生(西東京)という首都圏決戦となった。
埼玉県勢として初の夏の甲子園優勝を目指す花咲徳栄と東海大学の系列高校としては東海大相模に次ぐ2校目の甲子園優勝を狙う東海大菅生。どちらのチーム大会前から優勝を狙える有力校として名が挙っていたことに加えて好調をキープしているだけに激戦必至の大一番となるのではないだろうか。実力が拮抗しているだけに、どちらが勝ってもおかしくない。
そこでどちらが有利なのか、ここで過去の春夏の甲子園での埼玉VS東京の戦いを振り返ってみると、何と東京が5勝1敗。圧倒している結果となった。
春は、71年第43回大会準々決勝で日大三が深谷商を3‐0で降したのに始まって、80年第52回大会2回戦では帝京が上尾を延長12回の末3‐2と接戦を制し、92年第64回大会準決勝ではまたも帝京が浦和学院相手に3‐1で勝利し、決勝戦進出を決めている。その翌年の93年第65回大会準決勝で国士舘が大宮東の前に3‐4で惜敗し、前年のリベンジをされると同時に対埼玉県勢の春の選抜連勝記録も3連勝でストップしてしまったが、夏の選手権では、84年第66回大会2回戦で法政一が上尾相手に5‐3、01年第83回大会でも2回戦で日大三が花咲徳栄を11‐4で一蹴しており、春夏トータルで5勝1敗と抜群の相性の良さを見せているのである。
さらにつけ加えるとこの過去6回の対戦で勝った東京のチームは3回の優勝(71年第43回春の選抜と01年第83回夏の選手権の日大三、92年第64回春の選抜の帝京が優勝)と1回の準優勝(80年第52回春の選抜の帝京)があり、非常に縁起がいいのである。
さらにさらに付け加えると夏の選手権で東京都の代表が東と西の2代表制になった74年第56回大会以降、西東京の代表の夏の甲子園決勝戦での勝敗は4戦4勝(76年第58回大会の桜美林、01年第83回大会の日大三、06年第88回大会の早稲田実、11年第93回大会の日大三)。
過去の数字上でのデータでは準決勝を制す確率も決勝戦での勝つ確率も東海大菅生に有利なデータが出たが、さてどうなる?
(高校野球評論家・上杉純也)