ひと口に「ストレス解消」と言っても、実践するのはなかなか難しい。そこで、世界中の学者らによって研究されている「ストレスの解消法」をご紹介したい。実は、意外なほどに身近な方法によって効果を上げていることがわかっているのだ。
■ひとり言を言う
米カリフォルニア大学のジル・ボーマン博士らが行った研究がある。66人の被験者にストレスを意識したときに、「マントラ(お経)か、何か意味のある言葉を繰り返し唱える」ようにアドバイスすると、83%の人が「ストレスが和らぐ」と感じたという。
何か意味のある言葉とは、特に難しいことではなく「頑張ろう」「元気出そう」「大丈夫」など、自分に前向きに話しかける言葉でいいようだ。
■ひとりで寝る
ウィーン大学のゲルハルト・クロエッシュ教授らが行った研究。未婚で子供のいない20代カップル8組に「10日間、ひとつのベッドで寝る」「10日間、離れた場所で寝る」の両方を試してもらい、それぞれ翌日の記憶テストで、ストレスホルモンのレベルをチェックした。
すると、男性は総じて別々に寝たほうが「よく眠れた」と報告。さらに、同じベッドで寝た場合、記憶テストの成績が悪かったのだ。つまり、快眠できていないことを表し、そのためにストレスレベルが上昇したということ。ちなみに、女性にはそのような結果が出なかったという。
■親しみの表現としてキスや抱擁をする
アメリカのセラピスト、ローラ・バーマン博士が主宰するバーマン・センター研究班が3300人を対象にした調査によると、行為としてではない、愛情表現として行うキスや抱擁は、精神安定感を与えて、うつ病やストレスのリスクを減らすという結果が出た。特に女性への効果は大きく、バーマン博士は「キスが愛着心をそそる子宮収縮ホルモンのオキシトシンの分泌を促す」と話している。
■ビタミンCを1グラム一気に飲む
和洋女子大学家政学部健康栄養学科の本三保子講師らの研究で、12人の健康な女性(平均21.7歳)に、1日あたり1グラムのビタミンCを「1回」、「2回に分けて」、「3回に分けて」飲むグループに分けて、それぞれ検査。すると、ストレスに関しては、1回で飲むほうが効果があることが判明。ストレス負荷の指標になる尿中バイオピリンの総量が最も少なかったというのだ。2分割、3分割のグループは、どちらも同等数値だった。
■ヨーデルを歌う
オーストラリアのグラズ大学の研究者の発表。気持ちいい、楽しいと感じた時、脳からエンドルフィンが分泌されるが、山の歌・ヨーデルを歌うと、肺機能が強化され、エンドルフィン分泌を誘い、緊張やストレスを排除できることがわかった。この「ヨロレイヒー」の効果はヨガやジョギングを上回ると学会でも評判に。さっそく、会社の屋上で試したい。