睡眠時間はたっぷり取っているのに眠りが浅い。朝起きると、何だか身体が凝っている。この原因は“頭の凝り”からきていることが多いという。
現代の生活では仕事でも家庭でもパソコンやスマホに接する時間が多くを占めている。それに重なってストレスも多い生活だ。気づかないうちに頭のコリが慢性化しているという。鍼灸、整体を行なっている三上藤雄氏が言う。
「普段、頭のコリを意識することも、ケアを施す機会もなかなかない。知らず知らずのうちに頭の筋肉が凝り、脳の緊張状態が取れない状態が続き、頭皮と首の後ろが固くなっている。このため睡眠時間は長いのに眠りが浅くなり、寝起きの不調につながります」
つまり、脳の緊張状態が続き交感神経が活発なままの就寝になるため、たっぷり寝たはずなのに疲れが取れていなかったり、身体が凝ったりする「寝コリ」の原因になると言うのだ。さらに頭の筋肉が凝っている状態だと、寝ている間に脳内の老廃物排出や全身への栄養補給を促す脳脊髄液の循環も悪くなるという。その解消に頭のマッサージをするとよいと三上氏は言う。
「頭のコリをほぐすことは心の緊張をほぐす効果もある。全身のストレスを解放するので、良い睡眠が得られる。そのマッサージのやり方ですが、強く行うと脳が逆に緊張してしまうので、気持ちの良い強さで、手のひらや指の腹を使って行うと良い」
左右の耳の穴を頭の上を通るように繋いだラインと、眉間の中心を縦に通るようにしたラインが交わる点に位置する百会(ひゃくえ)や、首の後ろを背骨に沿って両手の指を上げていき、後頭部の髪の生え際で骨が当たる部分に位置する天柱(てんちゅう)というツボをマッサージすると効果は高いとのこと。
これならすぐにでも実践できるだろう。
(谷川渓)