スポーツ

独占ボヤキまくり60分!野村克也「緒方はまだ名監督ではない」(1)外野手出身の名監督はいない

 今年もプロ野球はセが広島、パはソフトバンクが優勝する一方、二刀流の大谷翔平のメジャー挑戦がささやかれるなど話題に事欠かない。そこで“球界屈指の論客”であるノムさんこと野村克也氏に緊急インタビュー。「名監督の条件」から大物ルーキーの去就まで、縦横無尽に語ってもらった!

 今年のセ・パ両リーグの優勝監督は、緒方孝市(広島)と工藤公康(ソフトバンク)です。この2人に恨みはないけど、見ていて「あぁ、いい野球するなぁ」と思わせてくれる監督ではないですね。緒方は外野手、工藤は投手出身でしょう。捕手出身の私から見ると、「野球とは? 勝負とは?」という問題意識が、いまひとつ伝わってこない。だから、評論家として原稿を書く際にも、ものすごく往生します。まあ、緒方にしても名監督と言うにはまだまだと言わざるをえないでしょう。ただ、広島には内野手出身の高信二、ソフトバンクには捕手出身の達川光男というヘッドコーチがいる。彼ら参謀役が果たした貢献は大きかったと言えるでしょう。

 先頃、新著「私のプロ野球80年史」(小学館)を出版した野村克也氏へのインタビューは、冒頭からおなじみのボヤキ節全開。南海(現ソフトバンク)、ヤクルトの監督としてリーグ優勝5回、日本一3回の実績を誇る稀代の名将らしく、話は監督論から始まった。

 80年のプロ野球の歴史の中で、外野手出身の名監督は一人もいないんですよ。外野手出身の監督が日本一になった例は長い間なかった。2001年に、ヤクルトの若松勉がようやく日本シリーズを制覇し、11年の秋山幸二(ソフトバンク)、昨年の栗山英樹(日本ハム)が続いた。いまだにこの3人だけでしょう。手前味噌になりますが、若松は私からヤクルト監督を引き継いでの日本一だから、私の遺産で勝ったと言ってもいいと思います。こういうことばかり言っているから、外野手出身の山本浩二(元広島監督)と顔を合わせた折に苦情を言われたんです。「本当のことやないか!」と言い返してやりましたけどね(笑)。

 外野手が試合中に考えることは一つだけですよ。相手打者が打席に入った際、どこに守ればいいかな、とそれだけ。変な所に立っていれば、ベンチから「あっちだ、こっちだ」と指示が出る。野球を深く掘り下げる必要がないポジションなんです。

 私の現役時代、試合中に外野の守備位置でバットを構える格好をして、イメージバッティングばかりしている人がいました。敵として見ていて「何やってんだ」と思ったものです。打つことしか考えていないわけです。この人はのちに複数球団で監督を務めましたが、案の定、優勝とは無縁でした。

 投手出身者にも似たようなことが言えます。投手の第一条件は「俺の球を打てるなら打ってみろ」という強靭な精神力だから、指揮官になっても精神性を大事にする傾向が強い。星野仙一(現楽天球団副会長)が典型です。もっとも、今の選手は厳しい家庭環境で育っていないので、彼のような監督は逆に時代に合っているのかもしれません。

 いずれにせよ、監督というのは、自分自身の現役時代の体験がベースになる。

 外野手、投手出身の監督に野球の奥深さを期待できないのは、そういう理由からなんです。

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    デキる既婚者は使ってる「Cuddle(カドル)-既婚者専用マッチングアプリ」で異性の相談相手をつくるワザ

    Sponsored

    30〜40代、既婚。会社でも肩書が付き、責任のある仕事を担うようになった。周囲からは「落ち着いた」なんて言われる年頃だが、順調に見える既婚者ほど、仕事のプレッシャーや人間関係のストレスを感じながら、発散の場がないまま毎日を過ごしてはいないだ…

    カテゴリー: 特集|タグ: , |

    これから人気急上昇する旅行先は「カンボジア・シェムリアップ」コスパ抜群の現地事情

    2025年の旅行者の動向を予測した「トラベルトレンドレポート2025」を、世界の航空券やホテルなどを比較検索するスカイスキャナージャパン(東京都港区)が発表した。同社が保有する膨大な検索データと、日本人1000人を含む世界2万人を対象にした…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , |

    コレクター急増で価格高騰「セ・パ12球団プロ野球トミカ」は「つば九郎」が希少だった

    大谷翔平が「40-40」の偉業を達成してから、しばらくが経ちました。メジャーリーグで1シーズン中に40本塁打、40盗塁を達成したのは史上5人目の快挙とのこと、特に野球に詳しくない私のような人間でも、凄いことだというのはわかります。ところで、…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
大谷翔平「MVP受賞映像」で「真美子夫人の妊娠説」が噴出したワケ
2
大谷翔平「3度目のメジャーMVP」でもかなわない「凱旋帰国」の高すぎるハードルと「出禁」問題
3
なんだこりゃ!岡田将生の電撃結婚を「完全スルー」した「めざましテレビ」の担当は元カノ鈴木唯アナ
4
東京ドームで観客半分の「プレミア12」にサッカーファンが「シラケる」挑発バトル
5
マイルCS大的中の馬券師が断言!ジャパンカップ「勝つのはドウデュース以外の日本馬」「買える外国馬は1頭だけ」