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中日・京田陽太の「長嶋超え」という違和感と長嶋茂雄の異次元ぶりを再考!

 中日ドラゴンズ・ドラフト2位ルーキーの京田陽太が、新人最多安打リーグ記録に届こうとしている。

 18日には、1959年に江藤慎一が作った球団新人安打記録139安打を塗り替え、リーグ記録2位の巨人現監督・高橋由伸の記録140安打(1998年)に並んだ。

 セ・リーグ記録は「ミスタープロ野球」長嶋茂雄(巨人/1958年)の153安打。京田は、2日現在で148安打を放っており、残り4試合であと6安打と迫っている。

 ここで取り沙汰されるのが「長嶋超え」というワード。もちろん、京田の成績は素晴らしいことは前提として、おそらく自身が最も恐縮しているだろうこのフレーズは、あらゆる条件を無視した「あるシーズンの新人安打記録」という意味でしかない。

 もっとも、長嶋が記録を打ち立てた56年はシーズン試合数が130試合。現在は同一リーグで125試合、交流戦が18試合で合わせて143試合という単純な条件の違いもさることながら、長嶋は主力打者を務め打率.305、本塁打29本(伝説のベース踏み忘れによる取り消しもあり)、打点92。盗塁も37決めており、ベースの踏み忘れがなければ1年目にしてトリプルスリーを達成していた可能性が高いというオマケ付き。塁打数も290塁打(二塁打を34安打、三塁打も8安打している)とあり、現在、打率.270、199塁打の京田とは「別次元」の成績なのは言うまでもない。

 ちなみに(当時、記録として存在しなかったが)プロ野球新人最多安打記録としては「ミスタープロ野球ニュース」佐々木信也(高橋ユニオンズ/1956年)の180安打(236塁打)。この年のパ・リーグは8球団あったため、試合数が154だった。

 やはり、長嶋茂雄の初年度記録を超えるのは容易なことではない。

 まずは打率。長嶋茂雄の.305を超えるのは、坪井智哉の.327(阪神/1998年)、広岡達朗の.314(巨人/1954年)、石毛宏典の.311(西武/1981年)の3選手のみ。本塁打(29本)は31本の桑田武(大洋/1959年)、清原和博(西武/1986年)の2選手だけだ。打点(92打点)は96打点の戸倉勝城(1950年)だけである。

 さらに、盗塁は小坂誠の56盗塁(ロッテ/1997年)、佐藤孝夫の45盗塁(国鉄/1952年)、鈴木武の40盗塁(近鉄/1953年)、赤星憲広の39盗塁(阪神/2001年)の4選手のみ。改めて、長嶋の万能打者としての傑出ぶりが際立つ。その後の活躍については説明を省こう。

 ……「長嶋超え」。なんとも畏れ多い言葉だろうか。この大記録を貶める唯一の手段は、巨人が京田に対し、敬遠を連発することだったが、中日の残り試合は横浜DeNAと阪神戦。その心配もなさそうである。

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