10月25日に5枚目のシングル「風に吹かれても」をリリースする欅坂46。デビューシングル「サイレントマジョリティー」以降、4作連続でオリコンチャート1位を獲得、いま、最も勢いに乗るアイドルグループだろう。
さて、この欅坂46と言えば、いわずと知れた乃木坂46の妹分。この「妹分」というキーワードは、これまで芸能界的には「不吉」な肩書きだった。アイドルライターがこう語る。
「かつて、河合奈保子が『HIDEKIの弟・妹募集オーディション』から1980年にデビューを果たし、西城秀樹の妹という触れ込みで活動を開始したのが元祖だったと思います。その河合の翌年にテレビ番組の主催する『田原俊彦の妹役オーディション』で合格したのが松本伊代。成功したのはこの2人くらいで、その後、多くの『便乗系の妹』は不作に終わっています」
時を経て、98年に「優香の妹分」としてデビューしたのが「堀越のり」だ。
「ルックスもよく、実は演技力も高評価でしたが、超人気タレントの妹分という肩書きが重石となったのか、姉の優香とは程遠い活躍となってしまいました。後に妹キャラであったことを自虐ネタにするなど、バラエティのセンスもあったのですが。その後、ほしのあきや小倉優子などのグラドルが売れると同じ事務所のタレントに妹分の冠をつける手口がちょっと流行りましたが、どれもイマイチでしたね」(前出・アイドルライター)
そしていつしか、「○○の妹」というフレーズは有効ではないという定説が広まり、誰もが積極的に名乗ろうとはしなかったが、2010年頃からのグループアイドルブームで潮目が変わる。アイドルライターが続ける。
「AKB48はSKE48、NMB48など海外も含めた各地に姉妹グループを立ち上げ、ももいろクローバーZの事務所・スターダストも私立恵比寿中学やチームしゃちほこなど、ハロプロを手本としたようなファミリーグループの拡大に成功しています」
そんな中で、「AKB48の公式ライバル」として誕生したのが乃木坂46だった。グループのイメージや物語性のある作品群で「48グループとの違い」を明確にすると、その手法を継承する「坂道グループの妹分」として15年に登場したのが欅坂46というわけだ。
「乃木坂46が7年かけて登りながら作った坂を2年の間に猛スピードで追いかけ、いまや肉薄している様相です。ライブの規模、CMなどのメディアへの出演、ファッションモデルのメンバーがいるなど、CDのセールス以外にも申し分なし。しかも、欅坂46の妹分と言える『けやき坂46(通称:ひらがなけやき)』も、誕生間もなく全国ツアーをするほどの注目度。欅坂46は、後発の恩恵を存分に享受しながら、きっちりブレイクした『出来の良い妹』と言えるのではないでしょうか」(前出・アイドルライター)
ドラマ主演や「NHK紅白歌合戦」の出演、幕張メッセでのライブなど次々と、その他大勢のアイドルが目標とするところをクリアし、ついにジンクスをも打ち破った欅坂46。今回のシングルで念願のミリオン達成か!?