「次はあれだな。ちょっといろいろ考えなきゃな」
来たる2018年1月15日。5回目となる、「ビートたけし“ほぼ”単独ライブin中野サンプラザ」開催が決定となりました。
で、2週間程前に行った1回目の打ち合わせの中で、殿はまず冒頭の言葉を漏らすと、続けて「グッズもいろいろ考えなきゃな」と、ライブの内容より先に、“当日限定販売売り切れ御免”な“たけちゃんグッズあれこれ”について思案しだしたのです。そして、30秒程の静寂のあと、“思いついた!”といった感じで、
「あれだな。カードゲーム作るか? カツラ神経衰弱! ○○○さんとか○○○さんの似顔絵を描いたカードをペアで用意してよ。カツラを被ってるやつだけを揃えてくゲーム」
と、得意満面に言い放ったのです。今さら書くまでもございませんが、わたくしの師匠、カツラが好きすぎます。そんな“異常性カツララブ”な殿は、「あとよ、前に言ってた、カエルの形したガマ口財布も作るか」と続けたのです。
説明します。前回のライブで販売予定となっていた、カエルの形をした小銭入れのことであり、殿みずからデザインのイラストまで描いた、バリバリのビートたけし考案グッズだったのですが、なんとなく“正直、あまり売れそうにないな”と、こちらで勝手に判断し、やんわりと製作を見送ったグッズです。殿はそれをしっかりと覚えていたわけです。
ちなみに、毎回やたらと長い、正式なライブタイトルですが、今回はこちらに決まりました。
〈映画『アウトレイジ 最終章』(公開週観客動員1位)。小説『アナログ』(アマゾン小説部門売上1位)。新書『バカ論』(新宿紀伊國屋・新書部門1位)のどれも大好評の3冠達成につき、気分よく、また、開催するライブ。ただ、歌だけのボブ・○○ランや、小説だけのカズ○○○グロがノーベル賞をもらっているのに対し、漫才、映画、小説、アートと、あらゆるジャンルを網羅し、かつ、結果を出してきた、真の総合エンターテイナーであるオイラが、ノーベル賞をもらえないのはどう考えてもおかしく、考えれば考える程、はらわたが煮えくりかえるため、「いい加減、ノーベルをよこしやがれ!」と、世間に訴える、ノーベル賞誘致を目的とした側面もあるライブ(仮)〉
どうでもいい豆知識ですが、このタイトル、今までで一番長いです。そんな、明らかにふざけたタイトルを実にうれしそうにお付けになった殿は、ライブの打ち合わせの最後に、
「そうなると、次は(1月15日のさらに次のライブのこと)いよいよ夢のアリーナ興行だな。あとお前、あれだよ。田舎に行って、ツアーやったっていいんだから」
と、“ライブは夢が膨らむ一方だ”といった感じで、例によって周りをワクワクさせる、いつもの“過剰サービス至上主義”な、中野サンプラザでのライブの3日後には「古希+1」、年を重ねる殿なのでした。
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◆プロフィール アル北郷(ある・きたごう) 95年、ビートたけしに弟子入り。08年、「アキレスと亀」にて「東スポ映画大賞新人賞」受賞。現在、TBS系「新・情報7daysニュースキャスター」ブレーンなど多方面で活躍中。本連載の単行本「たけし金言集~あるいは資料として現代北野武秘語録」も絶賛発売中!